山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

コウモリな感じ。

最近、映画関係者と話すと、「映画はテレビ出身の監督に乗っ取られた」みたいな話になる。確かに、テレビ出身の監督が大作を撮ることが多くなった。20年くらい前だったら、考えられなかっただろう。

映画を撮るには、今やいろんな道がある。ひとつは、助監督から始める方法。平均で10年くらい助監督をやったあと、チャンスを待ったり、自分で売り込んだりしてデビューする方法。もうひとつが、自主制作でいきなり映画を撮り、ぴあなどで賞をもらってデビューする方法。そして、もうひとつがテレビドラマの監督からの転身…というか、テレビも撮るけど映画も撮るというスタンスである。

で、なんとなく、「映画界出身」「ぴあ出身」「テレビのひと」的なくくりになっている。自分としては、一番長く働いたのがテレビだから、まあ、どこへ言っても「テレビのひと」であることにかわりはない。自嘲気味に「どうせ、私はテレビやだ」と言ってみたりもする。

けれども、純粋なテレビやでもない。ドキュメンタリーもずいぶん撮ったけど、ドラマの監督もしたし、脚本も書いているし、今は小説をメインにやっている。なにが本業かって言われても、どう答えていいかわからない。ので、どこへ行っても、どこにいても、コウモリのような気持ちになる。テレビサイドの気持ちもわかるし、監督の気持ちもわかるし、脚本家も気持ちもわかるし、作家の気持ちもわかるような気がする。

まあ、いいか、人間にジャンルはないし。最近、テレビの仕事あんまりやってないから、自分がテレビのひとという自覚がない、収入で言えば、今年は脚本家だ。毎年、一番収入の多かった仕事で名乗ればいいのかなあ。いくら、気分は小説家でも、収入面では、全然、ちがうし。

と、どうでもいい話を書いてしまった、なんか、ずっと落ち込み気味なので。