山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

ゆるナビ・金久美子

昨晩は、ダビンチコードに(今更ですが)はまって大切な事を書くのを失念した。

本日、担当番組のオンエアなので、謹んでお知らせします。

番組名 ゆるナビ  NHK総合(つまり1チャンネル)

夜11時~11時半 オンエア  MC 渡辺満里奈

私が担当したのは、「さようならの風景」というコーナーだ。

金久美子さんという在日韓国人三世の女優さんのストーリーです。

久美子さんとは、彼女が亡くなる1年前、一緒に仕事をした。
TBSの「コスメの魔法」という昼のドラマである。

当時、私は、自分の本の出版が決まったばかりで、少しでも早くドラマを終わらせて、小説の直しに入りたいと焦っていた。そんな、現場にいらしたのが、久美子さんだ。そのとき、すでに、彼女は胃ガンを発病、胃を全摘していた。抗ガン剤を打ちながら、ドラマの仕事をしていた。

そういう事情はうっすら知っていたが、自分のことで精一杯であった私は、久美子さんの切実さに少しも答えることのできない、ダメ監督だった。

病にもかかわらず、すべてのセリフがきちんと入っていたし、彼女のなりに考えてきた芝居があった。
私はそのひとつひとつに、ていねいに応じる余裕がなかった。

それから、1年後、久美子さんは亡くなった。TBSのドラマのあとも、映画、2時間ドラマ、ナレーションなど、ずっと仕事をしていたという。

今回、この「ゆるナビ」という番組を担当することになり、偶然、久美子さんの名前があがった。これは絶対、私がやらなくてはいけないと思った。もう一度、チャンスをくれたのだ、「今度はちゃんとしてね」と。

その提案に答えられたかについて、胸はって、「はい」といえない自分がもどかしい。

とにかく、見てください。