山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

東京タワーの思ひ出



夕暮れのTokyo Tower。
逗子に向かう道でなんとなく撮った。東京タワーに格別の思い入れもないけど、比較的近所に住んでいるため、地方に行ったり、戻ってくるたび、「いってらっしゃい」「おかえり」と言われているような気がする。

ずっと前、「東京タワーナイト」という短編を書いたことがあったなあ、なんて思い出す。東京タワーが見えるマンションに住んでいる愛人のひとが主人公だった。当時、親しかった映画監督とともに、それを映画化しようとしていた。彼女が飼っている猫の名前がヨブだった。(聖書のヨブ記からとったんだよなあ)

結局、その監督が途中で、精神錯乱になってしまって、映画化の話も小説の話もなくなった。けれども、よく考えてみると、その時書いた小説は、ちゃんと残っているんだよなあ。今のところひと目には触れていないけど、作品としてあるっていうのはうれしいかもな。

ま、このような日の目を見なかったやつらが、実はごまんといるのだった。しかし、昨晩、逗子の家で、ある著名な脚本家の10年くらい前のドラマをみんなで見た。するとさー、最近のヒット作と同じモチーフだったりするんだよなあ。ひとってつくづく、同じテーマをあの手この手で描いていくんだよなあ。ひとりの人間にそんなにいろんな引き出しはないからなあ。

そんなことを考えていたら、映画「太陽を盗んだ男」の脚本家  レナード・シュレーダー氏が亡くなったようだ。すぐれた脚本家だったなあ。知り合いでもなんでもないけど、ご冥福を祈りたい。

「東京タワー」って、リリーフランキーさんと江國香織さんと二つも小説あって、両方とも売れちゃったから今更出しにくいよねえ。全然、違う内容だけどね。「東京タワーナイト」っていう、クラブイベントっていうか、パーティみたいなのがあって、そこで不良してるひとびとのことだったりもしたしな。結構、モチーフとして、よく使っていたのだ。そうそう、あるお笑いコンビが東京に進出するまえに、彼らのドキュメント撮ったことがあって、彼らがいずれ、東京を席巻する・・って予感があって、そのエンディングは東京タワーの下で撮ったんだ。大阪の小さなスタジオを抜けると、東京タワーの下に出てくる・・っていう編集してさ。

そして、彼らは、超ビッグになってしまったわ。私の予想通りね。もう20年くらい前のお話。連休最後の日は、東京タワーをきっかけに、思い出にひたりました。