山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

くすくす笑い。

銀座で「大日本人」を見ました。

ダウンタウンは、今を去ることを20年前、彼らのブレーク直前に、ドキュメントをつくったことがありました。そのころの若手芸人のなかで、ダウンタウンが圧倒的に才能あると思ったので、まだ、駆け出しのディレクターであった私は、「絶対ダウンタウン!」と主張し、企画を通したのだった。

大阪では人気あったけど、東京では知名度はそれほどではなかったし、おふたりといろいろお話して番組を作った。エンディングは東京タワーの真下で撮った。そのエンドロールのためだけ(20秒ほどのカット)にわざわざ来てもらって、撮ったのでした。その後、どんどん人気がでて、今では巨匠になってしまったわけですが、「大日本人」を見て、松本人志というひとは、ずっと同じ笑いを追求しているのだなあとしみじみした。

というか、彼の笑いって、決してメジャーなものじゃなくて、かなり高度なかなりきつい笑いだよなあ。「大日」は深夜2:40から放送されていることになってるけど、まさにそんな感じ。でも、ダウンタウンはちゃんとメジャーになっていた。すごいことだよなあ。

内容は、変身ヒーローもののパロディみたいなものだけど、随所にいろんな皮肉っぽいセリフがあって、面白いけど、大笑いするようなものではない。劇場でもただの一度も爆笑はなかった。ときどき、「くすつ」って笑いが聞こえる程度。大日本人に、たぶんテレビのドキュメンタリーのひとがインタビューをしているという設定になっているんだけど、このインタビュアーが、なんとも失礼で強引で、同じような仕事をやってきた身としては、ちょっと痛かった。自分も取材のとき、こんな風に失礼なものいいしているのかなあ。

そんなわけで、中身はともかく、ちょっと懐かしい気分になったのだった。ああ、あれからすごく長い時間が流れたのだなあ。……けど、自分はあんまり変わってないなあ・・ちょっと落ち込みました。