今日は、池袋で、劇団「江本純子」の舞台「婦人口論」を見ました。
江本純子さんは、「毛皮族」という劇団もやっていらして、ここの舞台は1度しか、見たことはありませんでした。町田マリーさんという、最近の小劇場界で人気のある、キレイな女優さんのいらっしゃるチームです。
ここ数年、自分のなかで、小劇場ブームが再燃しておりまして、いろいろチェックするようになったんですね。それは、数年前に劇団「ポツドール」の舞台を見て、「ひゃー今の小劇場ってこんなことになっているのかー」「すごいなー」「これはちゃんと見なくては…」と焦ったわけですねー。
自分は80年代の小劇場ブームのころは、若さもあったので、頻繁に見ておりまして、その後は、気に入った劇団だけ、ちょこちょこ行くという感じでした。80年代、もっともファンだったのは、第三舞台でして、それから、自転車キンクリートさんとかもよく行きました。これが、自分の小劇場体験、第1期。この頃、つかこうへいさんの舞台も見たし、夢の遊民社もよく見にいきました。
それらの鑑賞は続き、テレビで働くようになりましたが、小劇場の俳優さんたちが好きだったので、はじめてテレビドラマを撮った時には、自転車キンクリートの俳優さんをキャスティングしましたし、第三舞台の俳優さんにドキュメンタリー番組のナレーションを頼んだりもしました。
しかし、年をとるごとに、お気に入り以外はなかなか足を伸ばさなくなりました。第2期小劇場ブーム(@自分史)は、大人計画などの「おもしろ系」からですね。90年代の中頃でしょうか。ふたたび、ちょくちょく見にいくようになりました。そして、この頃になると、小劇場界に知りあいが出来て、チケットを取るのに融通が利いたりして、それは嬉しかったです。
しかし、これもいつの間にか下火になる。波がありますねー。すみません。
で、第三次小劇場ブームは21世紀を待つことになりました…ってそんな偉そうに語ることではないのですが、数年前、友人に誘われてみた「ポツドール」にて、幕を開けるわけです。(何度も言うけど)、すごくてぶっ飛んで、以来、人様の口に上る劇団はなるべく、行くようにしています。
で、毛皮族もノーマークだったので、一回見て、女子が舞台上で、かなりせきららなセリフを連発したり、裸のような恰好をするので、気に入り、追いかけリストに入れた次第です。なんつうか、下品な部分がいっぱいあるのに、妙にすがすがしい…ねっとりしているようでいて、怨念とか執念みたいなものから舞台が自由になっているように見えたのでした。
で、今日の舞台。「婦人口論」ってタイトルだから、婦人が口論するのかなーくらいの想像で行きました。いや、設定が面白かったです。舞台は、盲人の体験ができるテーマパークです。
「ダイアローグ・イン・ザ・ダーク」というエンターティメントをご存知でしょうか。目隠しをして、いろんな場所に行って、盲人の体験をする…といったようなもの(らしい)。去年あたりにずいぶん、話題になったものです。実際、わたしは体験したことも詳しいことも知らないですが、それのパロディのような設定です。
舞台は、盲人体験のできるテーマパークで始まります。そこへ、女子四人とひとりの男子が遊びにやって来ます。案内をしてくれるのは、本当の盲人の男性。四人の女子と一人の男子は、案内の男性について、暗闇のなかへ入っていく。
このように書くと、「ちょっとスリルのある作品なのか?」とか「障害について考えさせる舞台なのか」とか「なにか暗闇で事件が起きるのか?」など、シリアスな方向へ想像が膨らみますが、ちがいます、全然。
特になにも起こらないです。いや、ちっぽけな事件はいっぱい起こります。がしかし、笑います。どうしようもなさに…。
暗闇のなかで起こるくだらない事件と出来事と、暗闇とは関係のない、女子同士の容赦ない悪口合戦に、なにやってるんだよーって気分で、笑かされます。
しかし、最近のアラサーの女子というのは、こんなにとんでもなくなっているのかしら。いやーいい意味でみんなおっさんみたいだ。いや、おっさんより、正直で容赦がない。それに対して、男子のか弱さといったら。こっそりさわるくらいしかできないのかよ…って感じで…おっと、ネタばれしそうなので、慎みますが。
本当のダイアローグ・イン・ザ・ダークには、さほど興味なかったんですが、この舞台を見たら、ちょっと体験してみたくなりました。暗闇で明かされる人間の本性…みたいなことかな。いえ、大した本性ないんだけど。
東京芸術劇場にて、まだ、上演されていると思いますので、お知らせまで。
思えば、最近、この劇場に行く機会が多いです。野田秀樹さんが芸術監督に就任されてから、いい演目が多いんですよねー。さすが。小劇場キングだなあ。