NHK総合でやっていた「ジドリ」を見てました。
俳優の斎藤工さんが、自分で自分を撮る=自分撮り=ジドリしたドキュメンタリー番組です。
いやー新鮮だった、まず、構成が。
自分も長く、テレビのドキュメンタリー作ってきたから、わかるけど、あのように、説明を排除したものをテレビで流すのって、勇気がいるんですね。
映画とちがって、テレビはいろんなひとが見ている。
いろんな人っていうのは、ドキュメンタリーに慣れていないひとや、ちょっとでもわからないシーンが映ると、さっさとチャンネル変えてしまうひととか、いろいろです。
視聴率命のテレビでは、「わからない」「説明がない」っていうのは、致命的だと思われている。
プロデューサーたちは、「これじゃ、わからないのでは?」「お客さんが逃げるのでは?」ってずっと仰っているわけです。
だから、テレビは説明過多のものが多くなる。
そんななか、このジドリの新鮮なことといったら。
ひたすら、斎藤工が(後半は、森山未來が)、自分と自分の周りを撮っている。
ナレーションもない。どうなるのか、結末が何を目指すかわからない。
でも、充分、ドキドキして見ることができた。
「これまで、見たことのない」ものだった。そういうものが好きです、本当に。
で、途中でですね、自分の映画「犬に名前をつける日」が、斎藤さんにあつく語ってもらえて、
数ある作品のなかから(キム・ギドク監督作もあったんだよ!)、「これ!」って選んでもらって、すっごい、嬉しかったです。
(いえ、だからって、この番組を褒めているわけではないです。それとこれは別の話です)
なかなか、ひとが自分の作品を選ぶ瞬間を見ることってないから、それはもう、作者冥利につきるというか。思わず、
近くをうろうろしていた、ハル(犬)を抱きしめました。
嬉しかったなー。
ということで、映画「犬に名前をつける日」絶賛、上映中です。
「どうしても撮りたかった」という思いだけで、できあがっている、ってことが伝わったみたいで、
すっごいうれしい。
そして、以前より、ファンで有り、ライブには欠かさず駆け付けている、前野健太さんの曲がいっぱい流れててそれもよかった。
構成は、斬新なドキュメンタリーで知られる松江哲明監督だった。
ドキュメンタリー新時代、来てる、みたいなことをあらためて思いました。
それはつまり、「自由でいいじゃない」「好きだけを信じよう」みたいなことでしょうか。
今夜はよく眠れそう。
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