山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

ショーケン逮捕に思う。

ショーケンこと萩原健一さんが、映画の出演料を巡って、プロデューサーを恐喝したとして逮捕されましたね。

私自身はこの事件をよく知らないし、関係者でもないですが、この手のギャラを巡ってのトラブルは結構多いですよね。
私はずっとフリーランスで働いてきたから、支払いを巡っては嫌な思いをしたことはあります。契約書を交わしてから仕事を始めたらいいのですが、なかなかそういう習慣がないので、口約束で始まる。
すると、当初の約束が守られないことがあったりするわけです。

そういう時って、一介のフリーの女VSどっかの会社という構図になるので、会社からしてみたら、そんな無名の女が何を言おうと、怖くないわけです。

平気で約束をやぶる人がいますからねえ。
でも、普通は、「このまま大人しくいうことを聞いておけば、次によくしてくれるだろう」
とか「ギャラが減ったのは、制作費がかさんだせいで、なにも悪意ではないのだから、相手の事情も理解してあげよう」として、黙ってしまう同業者は多いようです。

で、私もなるべくけんかしたくないので、ぐっと堪えて、ニコニコ乗り切ろうとするのですが、どうにも我慢できないときは、結局、けんかしてしまう。
すぐに言い返してしまう。ほんとにこんなことだから、人生たいへんになってしまうんですよね。とほほ。

けれども、脚本家連盟と監督協会にはいってからは、ずいぶん、楽になりました。
けんかのときに、「じゃ、ここから先は脚本家連盟と話して下さい」というとですね、たいていのひとは、こっちの条件を飲みます。

一介の女は怖くないけど、全脚本家を敵に回したくないからですね。

ここ数年は、けんかもなく、(年をとったせいかなあ)平和にやっています。
けど、このニュースを見て、ちょっとそんなことを思い出した。

私はいくつになっても理不尽なことがだめなんですよね。
ささいな約束でもそれが仕事がらみだと、とことん戦ってしまう。
それが結果的に自分に不利であっても、約束をやぶられると許せないんですよね。
バカみたいだけど。
そんなバカ正義感でけっこう大きなチャンスを逃してきた、という実感がある。
人生振り返ってしみじみするものです。
はあ。

(恋愛の約束はね、最初からあんまり信じないから、相手を恨まないんですけどね)