山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

17歳の気分にもどって。

ある大手出版社の社長を取材したことがある。
その時の番組のサブタイトルは
「17歳の僕を探して」だった。

なんでそうなったかというと、その社長が文学に惹かれたのが、17歳の時だったから。
17歳で好きになった文学を、作家にはなれなかったけど、編集者としてささえ、
その後、出版社を興すことで続けてきたという。
その時、その話にとても納得した。

小説を読んだり、書いたり、文学の周りには、17歳の空気がある。
わたしもかたちはちがうけど、ひどく落ち込んだときは、17歳のときのことを
思い出してみることにしている。

初心に返る、というかっこいいものじゃない。
私にとって、17歳は人生でももっともサイテイの時期だった。
毎日死にたいと思っていた。
が、実行する勇気もなかったので、答えを探すために
小説を読んだりした。

だいたい、幸せな人に小説なんて必要なんだろうか。
(時間つぶしに?)

で、時はあっと言う間に流れて、困ったときはあの最低だった17歳を思い出すことにしている。
あの頃にくらべれば、今はずっとマシって思えるから。
17歳で予想したより、人生はずっと楽しくて、いろんな目に会えた。

あの頃の自分が知ったらびっくりする。
テレビのディレクターなんてずいぶんかっこいい職業についたんだ。
(当時ならそう思う)
え、本も出せたんだ。結婚もした?離婚も?
犬を2匹も飼ってるの?海の近くに家もある?
すっごい、なんて幸せなのってきっと思う。

実際はそうでもないけどさあ、でも、そうやって
「悪くない、悪くない」って呪文をかけてます。
すると、失敗だらけのこれまでを悪くないって思えるから。

(あと、離婚したばかりの30半ばの頃にも比べる、
 あの頃に比べたら、なんて楽ちんな毎日って思えるから。
 なんて、トホホな人生ではある)