山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

夏祭りの夜に。

今週末は近所の商店街でお祭りをやっているらしい。
「らしい」というのは、実際のお祭りに行ったわけではなく、さっき、深夜のお散歩に出かけたところ、各所で、「夏祭りの残り香」に出会ったからでした。

いつも行く公園では、若い男子が車座になってすわり、賑やかに語りあっている。大型犬を二頭連れているとはいえ、さらにうちの犬たちはいざというときは結構凶暴だとはいえ、最近の若者さんたちは、罪なき浮浪者さんたちをあやめたりするので、じゅうぶん、気をつけなくては・・と一応考える。

徐々に近付いて、彼等の様子を伺う。中学生くらいかなと思っていたら、もう少し年上みたい。服装や話の感じから安全なひとたちと判断する。だってさあ、話の内容がとても愛らしいんですもの。

「公認会計士って資格とれえば、楽して生きて行けんのかなあ」とひとりがいい、「どんな仕事かしってんのかよ」ともうひとりがツッコミ、さらにひとりが「しらねえ、なんかジム系らしい」と受けている。

意外に真面目なテーマらしい。将来何になりたいかって話をしてたのかしら。夏休みだから、近所の友達で集まったんだなあ、楽しそうだな~なんて思いながら、公園をあとにする。

続いて、いつも通る商店街に入る。と、道の両側に、屋台の骨組みが続いている。そうか、今日からお祭りだったんだあ、どうりでかしこに、「まだ帰りたくない」若者があふれていると思った。実際、店は閉まった商店街の道ばたに若者のグループがたむろしていたりする。

屋台は骨組みだけで、商品が並んでいるわけでもないし、売り子さんも客もいないんだけど、お祭りのあとを歩くのは楽しい。

屋台を出しているのは、商店街にあるお店だけで、いわゆるテキヤ系の店はない。魚屋さんのやっている「新鮮魚類の炭火焼」やお好み焼きやさんの「焼そば」、お肉やさんのやっている「コロッケや」など、なかなか楽しそう。あしたのお昼ご飯はここに買いにこようかなあ、なんて思いながら、犬といっしょに商店街を歩く。

お祭りの夜は独特の空気がある。 昔だったら、「なんでもあり」の日で(じっさい、ブラジルのカーニバルなんで今もそうだと思うけど)、よいことも悪いこともいろんな事件が起こったのだろうな、なんて思う。

今やお祭りも形がい化したとはいえ、その熱みたいなものは続いているらしく、敏感な若者たちは、家に帰る気になれずに、ああして、夜明けまで、仲間と地べたに座り続けるのだろうなあと思った。

そんなことをする体力も友達もいないんだけど、なんだかうらやましかった。