山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

ホステスか神経症か

土曜の夜は、20代~30代前半の女子数名と飲む。

大して飲んでないのに、昨夜は帰ってきたら倒れるように眠ってしまって、日記更新できなかった。
(年だな~)

でもって、女子たちはみんな元気でよく食べてよく飲んでよくしゃべる。
テーマは、結婚から出産から、日本という国についてまで、幅広い。
(考えてみると、みんないわゆる一流大学を出て、マスコミの第一線で働いているコたちなので、賢い面と、普通の女子の面とふたつ持っている)

なかで、もっとも印象的だったのは、バイリンガルで結婚もしている、30代の女子の言葉。

「女でこの世界で仕事していくってことは、ホステス系でいくか、女捨てて、神経症的に仕事するかどっちかしかないわけですよ」

彼女の言う「ホステス系」とは、むろん、銀座や六本木のおねえさんのことではなく、いわゆる、女っぽく外見を磨いて、おやじたちに気に入られるようにふるまって、仕事をもらう、こなしていく、という生き方。

また、「神経症的」というのは、外見すっかりかまわず、仕事の内容だけでつっぱしるタイプのこと。確かに両方のタイプをよく見かけるけど、私の時代から比べると、「オヤジ勢力」がだいぶ減ったと思っていても、30代前半の彼女をして、「オヤジに気に入られないとやってけない世界」という印象はそう変わっていないようだ。

そう。20代の頃はわからないんだ。世界がオヤジでできていることを。

仕事をして、どんどん進んで行くと必ずこの「オヤジの壁」にぶつかる。ぶつかったって、絶対(今の時点では)勝てない。なぜなら、世界中がオヤジ支配であるから、オヤジに歯向かうということは、世界を的にまわすことになるから。

オヤジの世界は、超党派である。資本主義も共産主義もヒューマニズムもみんなひっくるめて、オヤジ支配であるから、この世に逃げ場はない。
彼女がいうように、ホステスの仮面を被って、お酌のひとつもしながらほほえんて、にこやかにやっていくか、「あんなの女じゃねー」的な陰口を叩かれながら、ひっそり、自分の仕事に励むか。

彼女はどちらにもなりたくないのだろう。
気持ちはわかる。

じゃあ、どうしたらいいんだろう。
とにかく、目の前のことをやっていくしかないよね。

と、力なく思うのだった。