山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

欲望のままに。

昨日の続きで、橋本治の「乱世を生きる、市場原理は嘘かもしれない」を読む。

いつものことだけど、この著者の文章はちょっと読みにくい。かったるくなってくる。文語調も読みにくいけど、ここまでおしゃべり調だとそれはそれで。

けれども、いくつか役立つことというか発見、再発見はあったかな。

「経済はひとの欲望を動かす」。

つまり、「必要ではないけど、ほしいようなほしくないような欲望」ってやつを経済が喚起して、その結果、その欲望によって、なにかを買ったり、どっかに行ったりして、経済活動を行っているということ。

もう、ほしいもの(=必要なもの)はなくなっているんだけど、それだと、経済が動かなくなるから、ほら、これほしいでしょーとやることによって、経済を活性化させられている。

著者は、バレンタインデーとチョコレートの関係で説明しておりましたが、クリスマスなども同じ原理だよね。経済の奴隷になってしまっているというわけ。

で、じゃあ、そんな経済にふりまわされちゃっている今をどうやって生きるのかってことになるんだけど、著者は、「我慢」でしょうとおっしゃる。

そっか。経済中心のこの世のなかで、欲望に振り回されないで生きるには、「我慢」するしかないって。
ふうん。とてもわかりやすい。

どっちかっていうと、「いわれなき我慢」をするより、気持ち(欲望?)を解放するのがよいと思ってやってきた。それをここで、「我慢」と言われても。

でも、女性ってそれこそ、我慢の歴史だったので、今さら、我慢するってことがしっくりこない。
いや、何でもかんでも我慢せいってことではないのだから、それはまあそれでいいか。

その後、大道珠貴さんの「傷口にウォッカ」を読む。う~ん、面白いよぉ。「市場原理」なんて言葉とは無縁かもしれないところで、どんより曇って生きてる感じ。でも、楽しそうだ。

夜は久しぶりに、六本木ヒルズに行く。
さすがにもう渋滞はない。真夜中のスーパーマーケット。
欲望に振り回されないようにしなきゃねーと思いつつも、食料品くらいいいよね。どんなに買ってもそんなにならないし、きちんと食べればね。

本を書くようになってどんどんどんどん貧しくなってきて、恐ろしい感じなんだけど、まあ、しようがない。つつましくいくか。