山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

ホカロン飲み込む

夕方、家に戻ってみたら、犬が食べ物を吐きまくっていた。
リビングは恐ろしいことになっている。
GEROの中心で存在を叫んでいるのは、黒い粉だ。

ええ、黒い粉?白い粉なら知ってるけど・・・いえいえ知りません、白い粉も。
あわてて、床にはいつくばって黒い粉を確認すると、近くには破り捨てられた白い袋。

ああ!
これは今朝ほど、なにげに捨てたホカロンくんではないか。
うーもうっ。

このホカロン君は、私のではなくて、この寒空に一日30時間くらいロケをして、文字通り死にかけているひとが、くれたものでした。いらないっていうのに。

それをですね、犬らがゴミ箱から拾い出して、袋をちぎって食べたらしい。
なぜ、そんなものを食べるのかって。

ここが泣かせるところなんですけど、ホカロンって体に密着させるから、ひとのにおいがしみついているわけです。犬の鼻はひとの鼻の300倍の能力があるといわれています。彼らにしてみれば、ゴミ箱から懐かしいご主人様の体の匂いがするわけで、いてもたってもいられず、思わず引き出してしまった、ということでしょう。

なんてけなげ
でも愛にひたっている場合ではない。ホカロンって何が入っているのだろう、中毒起こしたらどうしようと、焦ります。
しかし、犬たちはいたって正常な感じで、GEROの前で立ちつくす私に、全開でしっぽふっている。

ひとまずはGEROを片付ける。帰ってくる途中、絶望的な気持ちになっておりましたが、このお片付けをやっているうちに、だんだん気が晴れてきました。不思議ですねえ。

片付けのあとは、ネットでホカロンの誤飲を検索。すると、やはりどっかの犬がホカロンを食べた、という記述があり、ホカロンって土だから、飲んでも無害、とある。ひとまず胸をなで下ろす。

その後もホカロン誤飲情報をいろいろ読んで、犬も元気なので様子をみることに。
でもって、牛乳をあたためて、犬に与える。牛乳って毒を中和させるでしょ?

母犬カナはホットミルクをかわいい音を立てて飲むけど、子供犬ミニは「プン!そんなの飲みたくない」って感じで、床にへたり込んでいる。仕方ないので、水を新しいのに変えてあげる。

すると、世にも美しい音楽みたいな音をたてて、ミニが水をのむ。

話それるけど、私の好きな女優さんのひとり、レニー・ゼルウィッガーさん。
インタビューで「好きな音楽は?」と聞かれて、
「うちの犬たちが水を飲むときの音」って答えてたんですよ。これって、NHKのBSで時々やっている「アクターズスタジオ」の放送で。

話元にもどすと、犬の水を飲む音はすばらしい。

そんなわけで、犬、無事でした。
夜散歩にいって、にこにこして帰ってきました。