山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

死への距離感

例えば、ちょっとうまくいかないことがあると、かつては、「もう、死にたい」などとしょっちゅう言ったものだ。

あるいは、口に合わないものを食べたら、「死ぬほどまずい」などと表現したものだった。

が、最近、簡単に「死ぬほど」といえなくなった。事情は簡単。死がずいぶんと身近になったからだ。
早すぎる気もするけど、割と身近なひとが頻繁になくなるようになってみると、軽々しく「死ぬ」なんていえなくなるのだった。

だって、簡単じゃないし、きついことだからだ。

いやしかし、ほんのつい最近まで、「死んでしまいたい」なんて連発してたんだよなあ。
実際、ほんのちょっとのずれで死んでもおかしくない状況に結構、いたりした。(詳細秘密)

まあ、そのとき、思いあまったりぜず、よかったなーと思う次第ですが、死を軽々しく口にできなくなった一方で、死への覚悟もできたかもしれない。「死んでやる」と勢いでいっていた時の「死」はイメージでしかなく、極端をあらわす形容詞のひとつに過ぎなかった。

身近なひとの死を経験することによって、死はイメージから現実になり、甘美なものではなくなる一方で、やみくもな恐れより、いつかやってくる普通の出来事に変わりつつある。親しかったひとが亡くなってみると、死は怖くなくなる。だって、みんな死んでしまうんだもの。

そんな風に考えるようになった。

妙に穏やかな気分なんだ。この気分の傾斜ってここ数年であらわれたもので、自分でも不思議なんだけどね。

そんなわけで、明日からゆっくりタイムの始まり。(テレビのお仕事、カタついたのでね)

映画を見て、芝居に行って、本を読んで。ウフ。
やっぱり楽しい~。