山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

心でっかち。



仕事中、振り返ると、ドアの近くで覗いている最愛の犬、ミニ。彼女の気持ちとしては、邪魔にならないように、でも、近くにいたいのよって感じかしら。愛と葛藤のすえ、身体半分室内で、後半は廊下にいるのね。かわいいでしょー。

数日前の朝日新聞に「心でっかち」というタイトルでコラムが載っていて、なんとなく記憶に残ったので。確か、いろんな事件が起こると、すぐに「心の問題」とばかり言いやがって・・的な内容だったかな。すみません、主旨はよく覚えていない。

しかし、最近って「心でっかち」かも。健康で食べていけるだけのお金があれば、あとは心の問題ですものね。心のことばかりが、問題になるよね。

さっきまで、黒澤明監督の「七人の侍」を見てました。3時間以上かかったので、一日仕事だった。傑作であるのは、今更私が言うまでもないことでしょうけれども、この映画の舞台となった、戦国時代に比べたら、なんとまあ、現代の幸せなことか。

「心の問題」なんて言ってる場合じゃないのよね。斬るか斬られるか、食べるのだって精一杯。だいたい、女なんてさ、この時代、「生まれて来なきゃよかった」ってくらい、ひどいもんだよね。七人の侍はそれぞれに魅力があるし、彼らを雇うお百姓さんにしたって、ちゃんとキャラクターがある。だけど、女はさ、ただの女なのね。

そう思うと、心でっかちだろうと、今でよかった。選挙権もいただけて、痴漢もセクハラもドメスティックバイオレンスも、犯罪としてカウントされるし、ひとりでも食べていけるし。・・と妙なことを考えて、映画を見てました。

そんなわけで、せっかくヒトとして扱ってもらえる時代に生まれたのだから、今あるお仕事をちゃんとやらねば。この幸運を享受しなければ。

たまに時代劇見ると、たいてい、ストーリーよりそういう部分ばかり見てしまうのね。

今日も一歩も外にでないまま、一日が終わる。