山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

一発逆転を狙うのって。

「下流社会」っていう本の著者の三浦展さんのインタビューを読んでいたら、無理して勝ち組にならなくていいって若いひとが増えていて、その理由は、普段の生活にだいだい満足しているから、努力してまで、勝ち組になるのはいやだってことらしい。そうなんだ。

それで、ニートやらフリーターやらになって、好きなことをして生きているわけだけど、37歳くらいになると焦るらしい。40歳を前にして、何者でもない自分に気付いて、どうしよう!と焦る。で、多くのひとが考えるのが、一発逆転。ミュージシャンや小説家を目指すらしい。しかも、この手のひとびとは、自分の才能に自信を持っているひとが多いらしい。

ミュージシャン方面はよく知らないけど、確かに、昨日まで無職であっても、書いた小説がベストセラーになれば、一発逆転かもしれない。事実、そういう作家もいなくもない。

でもさ~。そんな目にあえるひとは、一億二千万人の人口のうち、5人くらいでしょ。数えられるよね、現存する作家でさ。確率からいったら、東大入るより、大企業の正社員になるより、ぐ~っと低い。宝くじで一億円当たる方が、また高いのではないかしら。

かくいう自分も長い間、テレビの仕事をやったあと、(っていうかやりつつ)、小説を書いておりますけど、厳しい世界であります。長く働いたテレビのほうが、今でもずっと儲かるし、小説は手間がかかるわりにお金になるまでに時間がかかるし、なっても少額であります。夢をつぶすのはよくないと思うけど、この手の一発逆転を目指すのってどうかな。残酷だよな。

それに、一冊目が売れたってずっとそれでやっていける保証はないし。一発で売れたように見えるひとでもその前に、苦節10年だったりして、長い間、ずっと書いてたりするんだよなあ。好きかどうかはともかく、とりあえず、喰っていける、続けることのできる仕事を探しておいたほうがいいよなあ。

いえ、誰に聞かれているわけでもないけど、漠然とそんなことを思った。作家ってよほど、儲かって、しかも楽そうに見えるんだろうなあ。自分もそう思ってたかな?いや、楽そうとは思わないけど、しかし、こんなに儲からないとは思わなかった、正直ね。

はは。そんなわけで、今日も地道に書くのであった。はは?