山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

インターネットの恩恵

とあるSNS(ソーシャルネットワーキングサービスね)に入っている。
そこで、「本好き」のコミュニティなどに参加しているが、そこで話題にされるのは、大きく分けてふたつである。ひとつは、「どんな本が好きか」そして、もうひとつは、「どんな本が嫌いか、あるいは、つまらなかったか」

私はへそ曲がりなので、「つまらない、嫌い」という書き込みばかり読む。「好き、感動した」の書き込みって、割とみんな同じであまり面白くないからだ。まず、ベストセラーになった本が列挙され、宣伝文句に近いような感想が多い。「泣いた」とか「好きなひとに会いたくなかった」とか「家族の大切さを知った」とか、なんだか、感動の方向が似ている。ので、あまり、読まない。

一方、「つまらない、きらい」のメッセージもそれぞれが似ているといえば似てるけど、でも、面白いんだよなあ。こちらもベストセラーについての感想が多い。「名作と聞いたけど、わからなかった」「友達がいいといったけど、つまらなかった」という文句というか、怒りが続く。ひとつの傾向として、「面白くないのは、自分のせい?自分の理解力のせい?」という書き込みが多いこと。確かに、ある程度の知識がないと、おもしろがれないことはたュさんあるから、「わからないのは、自分のせい」という姿勢は、ある程度正しいし、そういうものかもしれない。自分も若い頃に読んで、全然、わからなかったものが、年をとって読んでやっとわかることもたびたびあるし、逆もある。(若さ故、つまらないものでも、楽しめたり)

けど、ひとの読書傾向の細部なんて、このようなサービスが生まれなければ、知ることができなかったんだと思うとありがたいと思う。つまりさ、いろんな読み手がいるんだなってことがわかるので、ちょっと安心する。売れること=全肯定ではないんだよね。そして、いかにみんなが、「売れているから買った」という理由で、本を選んでいるか。これって、本だけの問題じゃなくて、あらゆる商品が抱えている問題よね。その逆もあるから、不二家さんみたいなことになると、立ち直るのがすごく大変になるわけで。

そんなわけで、インターネットの恩恵数あれど、そのひとつについて、思ったことでした。