山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

カラーマゾフの楽しみ

昨日は、ヤプログの事情で更新できなかったので、火曜の朝、書いてます。(暇なのかよ!)

話題の「カラマーゾフの三兄弟」を読んでいて思ったこと。男は三タイプいて、女は二つか。


1)長男・ミーチャタイプ
  ハンサムな放蕩息子。酒と女に溺れて、暴力沙汰を起こすけど、もっとも女から愛される、こまったちゃんタイプ。素直な奴でもある。

2)次男・イワンタイプ
  クールで冷徹な(意味同じか)、理論かタイプ。兄のように自由に振る舞えない自分が嫌いである一方、兄より自分が賢いって思ってる。考え込みすぎて、狂うタイプ。女には割といちず。

3)三男・アリョーシャタイプ
  清廉潔白。白いものは白いと言う、敬虔なキリスト者であって、常に「気高くあれ」と考え、実行する理想主義者。けど、からまわりすることもなく、みんなから愛される。身体の弱い(たぶん、そんなに美人じゃない)車いす使用の女の子にプロポーズしちゃったりする奴。現実にはなかなかいないだろう。

さて、女
1)プライドの高いお嬢さんタイプ・カテリーナ
  お金持ちに生まれ、美人の誉れ高く、自分でも自信満々。だからこそ、困った時には弱音が吐けないけど、不良タイプのミーチャ(長男ね)に、一発で惚れてしまう。けど、ふられて、すごく傷つくけど、素直になれなくて、最後はかなり精神的に錯乱しちゃう。かわいそうだけど、気持ちわかるなーって感じ。


2)永遠の男の憧れ・美人でセクシーで性格の悪い高級娼婦・グルーシェニカ
 19世紀の文学のヒロインによおおく出てくるタイプよね。美人・性格悪い・娼婦的。長男は、お嬢さんタイプのカテリーナと婚約してるくせに、グルーシェニカとひと目あっただけで、すぐ好きになって溺れてしまう。だいたい、カラマーゾフの物語の発端を作るのは彼女だ。彼女があまりに、男をソソルタイプだったからなのねー。今でもいるよね、こういうタイプ。日本で映画かするなら、沢尻エリカちゃんみたいな感じか。

というわけで、「カラマーゾフ」は見所満点なわけです。哲学的、宗教的、歴史的に物語を解析して読むこともできますが、まずは、メロドラマとしてすぐれているわけです。なんたって、出てくるキャラがみんな濃いんだな。韓流ドラマっぽいとも言える。

で、メインキャラを説明しましたが、(このほか、たたき上げで女好きの下品な父や、精神錯乱の怪しい下男などもいるけど)、男女5タイプのなかで、自分は、圧倒的に次男イワンタイプです。(男だけどさ)。だって、どっちの女のタイプでもないし、あんまり気持ちわからないもんね。当時の女性と今の女性じゃ、立場、違いすぎるから。自分は、イワンだ。イワンの気持ちはよくわかる。考えすぎて、頭へんになるところとか、下男スメルジャコフに影響与えちゃうところとか、遊び人ミーチャにも、真面目なアリョーシャにもなりきれないところ。素直にカテリーナ好きって言えないところ。などなど。

というわけで、「カラマーゾフ」、楽しいんだよなあ。