山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

ベルリンを遠く離れて。



四つ葉のクローバーを頭に載せるミニ。

ベルリン映画祭で日本人監督が二名も賞をとっているなか、わたしが今日、したことといえば、犬二頭を近くの動物病院へ連れて行っただけだ。なので、犬にクローバーの冠を載せてみた。

以下は春を先取りの犬たち。


水を飲むミニ。


草をはむカナ。

動物病院へは歩いていった。ここ一ヶ月、車が壊れているからだ。なんでか知らないけど、エンストしてエンジンがかからず、そのまま放置している。いつもなら車に2頭を乗せて、病院に行くのだけど、車も病気のため、(しかもこいつには治療していない)、徒歩にてでかけた。片道20分くらいかかって、到着することには、よれよれで、しかも時間に遅れた。獣医さんごめんなさい。

12月末に、生死の境をさまよったカナ(12歳・母)であるけれども、不整脈も消え、現在、いたって健康になっている。しかし、高齢のため、一ヶ月に一回は検診に行くのであった。ミニもついでに、爪を切ってもらったり、耳を掃除してもらったが、本日の診察料64000円なり。うわー高いっすよねえ。

しかし、この最新設備のある病院ゆえ、犬の三途の川を途中まで渡っていたカナをこっち側に呼び戻すことができたので、多少お金がかかっても、かまわないのだった。その分、わたしが働けばいいんだし。(去年は作品たちが、勝手に印税稼いでくれたので、いーのだ)。

今日はそのほか、小島信夫(小島よしおじゃないですよー)氏の「アメリカン・スクール」を読んだ。実は、小島信夫氏の小説、これまで読んだことがなかった。保坂和志さんが絶賛していたのと、先日、おふたりの対談「小説修業」を読んだので、俄然読みたくなったのだった。

いやーすんごい。新鮮だし、視点もよろしいし、面白いし。今まで読んでいなかったなんて、小説家のはしくれとして、一度は純文学を目指した者として、だめじゃないか、自分。(それが、今でも、純文学への憧れをぬぐい去れない。ほとんど両脚、エンタメ小説にずぶずぶになってるくせに~)。

なんつうか、よい小説を読むとほんと生きる勇気がわいてきて、自分も今、書いてるやつ、いけてるんだから、クヨクヨしないで、ガンバろうよと思える。本当に本当に不思議だ。(ダメなもん読んだり、見たりすると落ち込んで、創作意欲が減るんだよなー)。

よくいうところの、嫉妬というのが、自分はない。(注:レンアイの嫉妬はしますよ)。しかし、映画や小説だと、嫉妬ってしないんだよなー。特に良い作品であればあるほど、うれしくなり、もっとどんどん遠くへいってほしいと思う。もちろん、ダメだな、嫌いだなと思う作品が売れたら、「むかっ」とはするけど、でも、たいていの売れてる作品って嫌いだから、嫉妬のしようがなく、知り合いの監督のように、「なんでこんなダメ監督に仕事いっぱいくるんだ!」って気持ちにあんまりならない。(そういう気持ちにならないとだめなのか?)

まあ、いいや。とにかく、これから当分は小島信夫を読み続けることに決定。日本で手に入る全作品を現在注文中。意外に絶版とかあるから、参る。がんばれ、純文学。やっぱ、最後は純文でしょー。

小島信夫がわたしの卒論であるところのトルストイ絶賛派であることをしり、なんか嬉しくなった。だって、元は英文学の方ですよん。思わず、信夫ちゃんと呼びたいくらいだ。(嘘、失礼しました)。

というわけで、昨晩は、ひとさまの映像作品について、意見を述べすぎた後遺症で、たった2枚しか書けなかった。今夜は、小島先生の小説に洗われたので、ノルマ10枚果たしたいと思います。

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