山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

誰も見たことのない世界



ひな祭りキャンディ。色がかわいいので購入。深夜の友達。



もうひとつ。チーズパイの匂いに引き寄せられてきたミニ。

大ヒットドラマ「SEX AND THE CITY」の原作者、キャンデイス・ブシュネルの新作「リップスティックジャングル」を読んでいる。ニューヨークで働く40代の成功した女性三人の物語だ。ひとりは、映画会社のCEO(社長)で、三児の母、夫は専業主夫で、「自分らしい人生が送りたい」といって離婚を申し出てくる。彼女がPとしてオスカーにノミネートされた日に!。

ひとりは、ファッション雑誌の編集長で、一児の母、夫はは大学教授だけど、カルバンクラインの下着モデルと不倫中。自分を拾ってくれた上司を首にして、出版社の社長になる。喜びの日を下着モデルの男とHして過ごす。もうひとりは、売れっ子デザイナーで独身、億万長者の恋人がいるけど、彼とのデートをキャンセルしても、自分のブランドのためにパリに飛ぶ。

というようりに、派手な世界の派手なひとたちのお話なんだけど、でも、それだけじゃない。彼女たちが体験しているのは、「まだ、誰も見たことのない世界」だからだ。女性で成功し、結婚も子供も恋愛も美貌も手に入れるってことは、実は、まだ、ほとんどの女性が経験していないのだ。

男だったら、ありふれている。成功する男はごまんといるし、成功のしかたから振る舞い方まで、いろんなお手本がある。なんたって、男は有史以来、成功求めて(それが、経済的成功だったり、戦争だったりするのでしょうが)、生きてきたんだからね。

でも、女も成功目指していいよってなったのは、ほんと、この50年くらいでしょう。それまでだって成功した女はいたよ!と言われるかもしれないけど、ごく一部の芸術家や女優などに限られると思う。今や、世界中で(というのは大げさなら、あんまり好きな言い方じゃないけど、先進国で)、ごく普通の女が、自分の力で成功目指して動き出したのよね。もちろん、全員が成功するわけじゃないけど、じゃあ、成功の先になにがあるかは、まだ、誰も見たことのない世界なんだと思う。

映画「ステップフォードワイフ」は成功した妻をねたんだ夫たちが、彼女たちを専業主婦に改造するホラーでしたが、(陰で糸をひいていたのは、成功したせいで男に捨てられた女だったけど)、こういう映画がやっと成立するようになったんだと思う。男の成功はわかりやすいよ。地位と名誉とお金とスーパーモデルとつきあうこと…この程度でしょ。

じゃ、女も同じなのか。うるさいオヤジなんか捨てて、バカでもハンサムなモデルを愛人にして、偉そうにして暮らすの?それって楽しいの?でも、ことはそう簡単にいかない。ヒロインたちは、出世したり、愛人作ったり、離婚されたりしつつ、女ならではの悩みに直面していく。その時々に加えられるコメント(たぶん作家の意見だと思うけど)が、エスプリきいてて面白い。そして、まだ、見ぬ世界にいるヒロインたちの気持ちを伝えてくれる。

日本でも働く女性がどんどん増えて、今更、結婚=人生って思うひとは減ったし、かといって、「じゃ、次はどーしたらいいんですか」に答えてくれるお手本はないよね。自分自身、毎回、初めてのことのようにして生きてるし。

昨日来、ミクシィのほうで、親しい年下女子たちが、「オヤジ嫌悪論」を展開して盛り上がっていたんだけど、それを見ていると、オヤジたちの気持ちと働く女子の気持ちはどんどん乖離している。女性がもっと成功したら、はじかれるオヤジ増えるだろうなー。(いい気味じゃ)。

「誰もみたことのない世界」は、宇宙や最先端の科学にもあるのかもしれないけど、実は身近な場所で出現しているのだと思う。
わたしも、誰も見たことのない世界に立ってみたい。

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