山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

ジャーマン+雨

今日は、夕方から、日本映画監督協会新人賞の授賞式があり、行ってきた。(一応、選考委員だったんで)。

受賞したのは、「ジャーマン+雨」を撮った、横浜聡子監督。小柄で華奢なきれいなひとだった。

上映会のあと、授賞式があって、選考過程などをちょっとだけしゃべった。他の選考委員がコメントする間、自分はなにをしゃべればいいんだろうって考えてた。実際、話たのは、この映画ほど、監督の世界観がユニークに描かれているものを最近は見たことないなーってことで、そういう映画が好きだ!と話した。

そのあと、パーティーがあって、二次会も行って、今、帰ってきたけど、結局一番感じたことは、「この映画は自由だなあ」ってことだった。そして、自由でいいんだ、ってことを教えてくれるのだと思った。それが一番心地よかったんだ。

いろんな仕事をして、現実に生きていると、表面的はかなり自由な暮らしなんだけど、それでも、実は心のなかは、結構不自由というか、いろんなものにがんじがらめになっている部分はある。それがさー、この映画を見ると、「なにを気にしているんだ、もっと自由でいいじゃないか」って教えてくれるのだった。

そして、今日、また見て思ったのは、実はものすごく切なく、リアルな女の子の話なんだなーってこと。自分をもてあましている姿を、自虐的なまでに、かっこわるく描いている。そのかっこ悪さが、だんだん、すがすがしく見えてくるから不思議だ。

この選考に参加できてよかったなーと思った。たくさんの新人監督の映画を見られた幸せだけじゃなく、やっぱり、「ジャーマン+雨」みたいな、才能の原石みたいな映画を知ることが出来たことがハッピーだったのだ。

とても励まされた。めげずに行こう。…難題はいっぱいあるけど…。