山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

バートルビーとわたし。

おう、明日から10月ですね。

もう、誰がなんと言おうと秋なわけです。夏は徹底的に終わった。みじんも残ってやしない。だから、みなさんも、秋らしい顔をして、秋の気分で毎日を過ごさないといけない。秋は、冬の前哨戦であって、楽しかった春や心躍る夏は全部終わってしまって、ゆるやかにしずかに、毎日、活性化した細胞を眠らせていかないといけない。そう、夏は終わってしまった。

そのようながっかり感に包まれながらも、外の仕事が終わったゆえ、体調はどんどん回復してきて、気分はともかく、元気に暮らしております。今日は小雨のなか、ミニにレインコートを着せて、美容院へ連れて行きました。タータンチェックのレインコートなんですが、これを着るとミニはひときわカワイく、道行くひとに、普段より3割増しで「カワイイ」と声をかけられました。

写真をアップしたいところですが、デジカメの充電がきれてしまって、しかも充電器は逗子の家にあることが判明し、当分、カメラ使えないのでした。携帯のカメラは使えますけどね。

そんなわけで、ミニを美容人にあずけ(だいたい2時間くらいかかる)、その時間を無駄にしないために……って、いったい、どれが無駄でどれが無駄じゃないかを決めるのは難しいけど……渋谷まで行って、西武でピザ用のアレッシィのお皿買いました。イラストのついた大きな皿です。前から欲しかったけど、特に必要もないと思っていたのですが、週末に宴会するから、買ってみました。すると、たいへん重く、そのまま、犬を迎えに行くのは無理だと判断し、いったん家に帰りまして、それから、きれいになったミニさんを迎えに行きました。

そして夜は、メルヴィルの『書写人バードルビー」を読みました。@モンキービジネス。面白かった-。ううむ。こういう小説読むと、小説ってなんだろうーってしみじみ思う。自分のなかにも二通りあって、例えば、新刊の「まじめ~」は自分にとって、ギリギリの小説…というか、仕事を越えたもの。でも、「しまうたGTS」とか11月に出る予定の10代の男女の恋愛を描いた小説(仮タイトルは「もしも、この世に天使が」)とは、もっと仕事っぽい…というか、目を覚まして、冷静に、読む人を楽しませることを意識して書いてる。(結果はどうあれ、自分ではそれを目指している)。

で、映画やドラマでも、このうちの「どっちなのか?」ってスタンスがあるよなあー。先だって、ちょとした映画を撮るにあたって、「おもしろおかしいものを今更作ってもしかたないでしょ」ととあるプロデューサーに言われた。そうかもしれぬ。今更、そういう「ちょっとよく出来たお話」を作ってもしかたないのかもしれない。

けれども、自分にとって、ギリギリの物語というのは、そんなに量産できるもんじゃない。ウエルメイドの作品をコンスタントに出していく…というのはプロかもしれないけど、テレビの教養番組では結構、そういうスタンスでできるけど、小説ではなかなかできない感じがする。

うーん。

そんなわけで、一見ゆるやかに見えるスケジュールのなかで、犬の美容院行ったり、自分のエステ行ったりしているんだけど、心はそれなりに穏やかでもなく、いろいろ考えているのであった。

どーしたもんだろうかー。