山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

夜の似合う男。

毎晩、深夜に犬の散歩に行っているわけですが、よく行く公園には、タクシードライバーさんが結構きます。駐車しやすくて、公衆トイレと休憩できるような場所があるからだと思います。

そこで、ドライバーさん同士がちょっと話したり、缶コーヒー飲んだり、タバコ吸ったりしています。私は横目で見ながら、犬とボールで遊んでいるのですが、なんとなく、タクシーのひとにシンパシーを感じます。それは、真夜中、都会で孤独な感じが共通するから。

運転はあまりうまくないからダメと言えばダメですけど、自分、タクシードライバーという職業、結構、向いていると思う。朝(とか昼とか)、事業所に行って、そこで、ちょっと同僚とか事務所のひとと話すかもしれないけど、仕事のほとんどは、ひとりで孤独。お客さんと話すこともあるだろうし、そんなに楽なことばかりじゃないと思うけど、どこを走るかとか、誰を乗せるかとかは、自分で決められる。

ノルマとかいろいろあると思うけど、月末までに調整することにして、午後は公園で昼寝しちゃうとか、食べたいラーメンや目指して、空車でも走っちゃうとか…そういうことしそうだなあ。

そして、基本はひとり。基本は孤独。これがいいなー。そして、深夜にトイレのある公園で、休憩して、他の会社のドライバーと、「おっす」なんて挨拶する。知っているのは、会社の名前だけ。でも、同じ公園で時々会うから、顔見知り。「今月どう?」「不況でダメだよ」「これから六本木行こうかな」「最近、近場ばっかりだよねー」とか、そういう話をする。(ちがうかなー)。

時に、奇矯な客を乗せることもあり、客の話を聞くこともあり、そんな暮らし。

深夜の公園でタクシードライバーさんたちを見ると、いつも、自分の別の人生を想像するのであった。(その想像のなかで、自分は、佐藤浩市さん的な男性になっているんだけどねー。かっこよすぎか…)。