山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

映画「ハゲタカ」

今更ですが、映画「ハゲタカ」を見て来ました。

渋谷でレイトショーでやっていたので。テレビドラマのときも欠かさず見ていたので、見たかったのだー。ひと言で言えば、自分と全く関わりのない世界の話。株とか企業買収とか…だいたい、自分のまわりにまともなセビロ着たひといないし。ネクタイしているひとって、年に数回しか会話するチャンスさえないぞ。

そんなことはともかく、テレビドラマと同じように熱いドラマだった。煽るような音楽が終始流れるので、このままじゃ自分、取り残されるーという気持ちにもなった。一方で、なんか、かっこいい男がわんさか出てくるなあと思ったりもした。玉山鉄二かっくいい。高良健吾、かっくいい、松田龍平かっくいい、うわー働く男、闘う男ってすてき~と思ったりもしました。(あ…主演の大森南朋もよろしいです。眼鏡とるとやさしい)。

自分とは関係ない世界と言ったけど、実際は関係あるわけで、世界同時不況→日本も不況→企業が宣伝費を惜しむようになる→広告収入が減る→制作費が減る…という構図ですね。そのせいで企画中止になった映画の話をよく聞くし、テレビだって制作費落ちて、大変だし。全然、対岸の火事ではないのだ。

が。

なかなか、頭脳がそちら向きにできていないので、「ほー」と他人事みたいに感心して見てしまう。こういうドラマって出てくるひとが、ふざけたりしないし、普段の暮らしなどは描かれない。恋愛のシーンとかないし。(当然だけど…)。こういうお話を見るのは楽しいけど、自分じゃ書けないし、撮れないだろうなーと思った。うまく想像できないような気がする。どーだろ。

世界を相手に勝負する…みたいな生き方ってどんな感じなんだろう。玉山鉄二演じる中国人のファンドマネージャーが「なにものかになれ」みたいなことを言っていた。無名の誰かではなく、取り替え不可能な誰かに…。これって、とてもきつい提案だよなあ。80年代から90年代にかけて、日本中が「なにものか」になろうとしたのではないかしら。

けど。そんなふうになれるわけでなし、なれたとしても続くわけじゃなし。むむ。

映画は、最後に大森南朋演じる鷲津の言葉で終わる。「この世にはふたつの不幸がある。お金のない不幸とお金のある不幸」(だったかな)。これは、テレビ版の時に、最初に流れたコメント。どうなんだろう。実感ないけど。

昼間、ちょっと映画がらみの仕事あって、その後、この映画を見たので、いろんなこと、考えました。株で儲けるとか、銀行に入って働くとか、メーカーとか企業とか…、一度きりの人生なので、できなかったけど、そういう資本主義まっただなか…みたいな仕事人生もやってみたかったなー。すぐに負けてたかな…。