急遽、八ヶ岳の温泉地へ行ってまいりました。犬の牧場というところへも…。詳細はまた、あらためるとして、今日は、
「イギリス 犬の旅 最終章 ゴールデンレトリーバーの海で泳ぐ…」でございます。

ゴールデンレトリーバー発祥の地、スコットランドのグシカンから、車でやや南に下りました。

到着したのは、スコットランド南部のゴールデンのブリーダーさん宅です。

さっそく、くらくらするような光景を目にしました。

見よ、この集中力。

こんなふうにじっと見つめられたら、恋に落ちちゃいますよね。

私はすでに、犬の海に溶け込んでしまいました。

こちらの犬たちは数々のショーに入賞経験のある、美しい犬たちです。でも、性格も優しくてかわいかったです。
このあと、お庭を一緒に散歩させてもらいました。
お庭…といってもね…

この牧草地がみんなお庭だそうです。「庭」という言葉の概念を根底から変えないといけません。

広々とした庭で遊ぶ犬たち。
15頭いたって、これだけ広かったら、何の問題もないですよね。

走り回ったあとは、ゆったり、草を食んでいます。

すみません。再び、至福の時でございます。

お散歩から戻ると、倒れるように寝てました。
そんなわけで、あっという間のイギリス9日間でした。
(ブログの更新には時間がかってしまいましたが…)
ひとはなぜ、旅に出るのでしょうか。
…などど急にシリアスに問うてみますが、やはり、旅することには、大きな力があると実感しました。
普段の自分の場所から離れて、まったく違う世界に身をおいてみること。自分のなかで常識だと思っていたことが、覆される瞬間、さらに、知らなかったこと、はじめて出会うこと…
こういったことの連なりにより、いつしか、自分の内部でこりかたまっていたものが、静かに溶けていくように思えました。
数日前の日記に書きましたように、犬の魂に触れる旅と銘打って出かけましたが、世界中どこを探しても、ミニはいないということを理解しました。
そんなことはもちろん、理性的に理解しておりましたけど、頭で理解することがすべてじゃないんですね、たぶん。
特に「悲しみ」ってやつは、言葉ではない。体全体で受け止めるもんだと思います。
「もう、ミニはこの世にいないのだから、これ以上しくしく泣いても仕方がない」とわかっていても、悲しむことをやめられるもんじゃありません。
私は無宗教であるし、死後の世界も信じないし、よみがえりも、幽霊になって会いに来る…というようなお話も好きじゃありません。
でもさ。
だからって、悲しくないということではないんです。
時に宗教の力を借り、時に、天国を想像し、時に、夢のなかで会えると信じることでしか、悲しみを乗り越えることができない時期があるんだと思います。
それをわかった上で、ある意味、儀式のように、旅に出ました。それは、お葬式みたいなものでした。
誰に頼まれたわけでも、仕事でもないけど、「行かなくてはならない」と強く思いました。
どんなに遠くても、寒くても、費用がかさんでも、「行かなくっちゃ」という妙な使命感に貫かれた日々でした。
イギリスから戻った日、尊敬する社会学者の女性を囲む女子会がありまして、私は、成田からほとんど直行するようなかたちで参加しました。
そのとき、なんだか、自分自身が軽くなったように感じました。(いえ、まだ、悲しみはたっぷりたたえてはおります)。
いろんな方々と普通に話しができるようになっておりました。
すーっと、少し、呼吸が戻ってきた感じでした。
なにかが、自分のなかで、変わったのです。
それを決定づけた、小さな出来事もご報告したいと思います。
スコットランドのブリーダーさん宅を後にし、グラスゴーのホテルに向かいました。ここで一泊し、翌日、グラスゴー空港からロンドン、さらにパリへと乗り継いで、帰国することになっていました。
グラスゴーのホテル近くの中華料理店で、スコットランド最後の夕食を食べた時のことです。食事が終わり、給仕の方が、「フォーチュン・クッキー」を持ってきました。
フォーチュン・クッキーとは、小さなクッキーのなかに、未来を占う言葉が書いてあるものです。おみくじの入ったクッキーですね。
「ひとつ選んでください」
給仕の方に言われて、選んだクッキー。
さっそく、包装紙を破り、クッキーを割ってみました。そこから出てきたのは、こんなものでした。

なんと書いてあるかというと…
Now is the time to try something new.
今こそ、なにか新しいことを始めるとき……
びっくりしました。どすん!と来ました。
旅をしている間ずっと、「次にすべきこと」について、考えていたわけです。
自分にとっては大きな決断になるので、「どうしようかな」「無謀かな」「本当にいいのか」「なにか意味があるのか」などなど、問いかけていたのですが、このフォーチュンクッキーに後押しされた気がしました。
今こそ、新しいことをすべきとき…なんですね。
これにたどり着くための旅であったのだ…と思いました。もし、これがテレビのロケだったら、このクッキーは、「まとめ」に使いやすいなーと思ったほど…(笑)。
ミニのことを忘れたわけじゃありません。ふっきれたわけでもありません。
でも、自分のなかで、新しいなにかが、まわりはじめました。まだ、確信はありません。少しずつ、はじめたいと思っています。
それは、やはり、これほどの愛情をくれたミニ…そして、犬という大いなる存在へ、少しでもなにかを返したいということです。
今年は「犬」をテーマに、ひとつのことをしようと思っています。たぶん、それを映画にすると思います。ドキュメンタリー映画に。
ドキュメンタリーはテレビでたくさん作ってきたので、ちょっとは自信があります。根拠はないけど、「できる」予感がいたします。
そんなわけで、わたくしの、2011年の決意にかえて、イギリス 犬の旅をしめさせていただきます。
おつきあい下ってありがとうございました。
このあとは、今までとおりの普通のブログに戻ります。(つまり、犬ネタばかりではなくなります)。
もしよかったら、犬好きでここに来ていらっしゃる方も、続けておつきあいいただけると幸いです。
一月三日 深夜 (カレンダーでは4日です)
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