山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

限界を感じるとき

ロンドン21日目。

ちょうど3週間か。

いろいろ慣れてきて、その分、限界も感じる時期である。

今日は水曜日なので、学校のあと、アニマルホームへ行った。

しかし、ジャックラッセルのパッチもコーギーの雑種、フォクシーも手術中。



こっちがフォクシー↓



おまけに、超かわいいケヴィンもおなかを壊しているそうで、散歩はおあずけ。



その上、ボランティアも結構きていたので、やる仕事がなく、早々に帰ってきた。

…まさに、三週間目にふさわしい一日である。

つまり、結構、いろんなことに慣れてきたので、最初の頃のような、興奮は減った。

英語学校にしろ、アニマルホームにしろ。

しかし、興奮が減ったとはいえ、新しいことを知るには、まだ、能力が充分じゃない。

アニマルホームで言えば、犬の散歩、部屋掃除、食器洗い、洗濯の手伝いなどができるようになったけど、これらは結局のところ、一番、簡単な仕事だ。

それより、責任と能力の必要な仕事……ひとに慣れていない犬の散歩、犬のご飯の調合、犬の訓練、犬を預けにきたり、もらいに来たりする人への対応、などはできっこない。

そういう仕事は1年くらいいなければ、やらせてもらえないだろう。英語力も不十分だし。

なので、ちょっと飽きたりする…。(悪いやつだ)

しかし、まだ、やることはあるのだった。つまり、それは取材だ。

どんなひとがボランティアをしているのか、このホームを運営しているひとはどんなひとたちなのか、などを聞くことはできる。

今日も2名ほどに簡単なインタビューをした。(インタビューというより、立ち話だけど)。

ひとりは犬の係のチーフの女性。40代くらいだろうか。いつも鼻歌を歌いながら、仕事をしている。それも非常にテキパキと。

聞いてみたら、元は主婦で、数年前からボランティアを始め、今年の1月から正規に雇われているという。

もちろん、この仕事を選んだのは、犬が好きだから。

もうひとりは、高校生くらいの男子。無口でいつも黙々と仕事をしている。それほど楽しそうに見えない。

もしかして、ボランティアをすることで単位がもらえるとか、誰かに言われて社会貢献をしているのかもしれない…などと思って、質問した。

「聞きたいことがあるんですが…」と話しかけたら、「自分はただのボランティアだから、もっと上の人に聞いてくれ」と素っ気ない。私が、仕事の内容について、質問したと思ったようだ。

そこで、「あなたについて、聞きたいのですが…」と重ねたら、ちょっと驚いた風で、でも、答えてはくれた。

学生であること、犬が好きだからやっていること。

これくらいかな。でも、10代の男子が、黙々と犬の世話をしているのって、いいなーと単純に思ってしまった。

日本でも震災以後、ボランティアをするひとが増えたけど、それ以前は、そんなに一般的じゃなかったと思う。

私自身にしてもそうだったし。

しかし、イギリスではボランティアをすることはかなり普通のことらしい。いや、そこらへんはまだよくわからないので、これから、少しずつ聞いていこうと思う。

もちろん、アニマルホームの存在にしても、イギリス人がすっごいいい人だから、やっているというより、ここへ至るまでの、犬との(動物との)いろんな関わりがあるのだろう。

こんなにいろんな犬種がいるのは、イギリス人が己の楽しみのために交配を続けたからである。そこだけみたら、かなり残酷な気もする。

この100年くらいですごく犬種は増えたらしいし。そして、ケネルクラブでその犬種が認められるのはかなり名誉なことらしい。

まあ、どんな物事にも光と影があるので、偏らないようにしたいとは思っている。

そんなわけで、ホームをあとにして、時々、行ってるパン屋さんでケーキを買って帰った。



スポンジ部分は、シフォンケーキみたいな食感で軽く、クリームが、また、生クリームとはちょっと違う味で、美味しかった。

ので、これを夕食とした。

明日は、芝居のチケットを買いに行こうかと思っている。ロンドンは舞台の街だし。

しかし、東京にいても、面白い舞台を見ようと思ったら、詳しくないとダメだし、かなり事前に買わないと見られないから、そうそう、よきものに当たれまい。

だいたい、高度な内容のドラマだったら、自分の英語力でどこまで理解できるやら。

まあ、しかし、行ってみたいので、行ってみようっと。

今日からぐっと寒くなりました。それと、公務員のストライキがあって、一日じゅう、パトカーや救急車の音がにぎやかでした。