山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

依存症の時代に。

毎日新聞の女性向けのサイトに、映画「SHAME」の感想を書きました。

毎日プラクティス

セックス依存症の兄と恋愛依存症の妹の、壮絶兄妹の物語です。

ツイッター上で、「90年代の女性マンガっぽい」という評価もありましたけど、そう言われてみたらそうかも。

それと、この記事を書いたあとで思ったのは、今って、ほんと、「依存症の時代」というか、「萌え重視の時代」というか、とにかく、みなさん、なにかにはまってしまう。

はまってしまうことを肯定的にとらえるのはいいけど、はまりすぎると残酷な結果に。

この兄妹はまじめだからこそ、はまりすぎて、常軌を逸するんだよね。

いい加減なひとであれば、恋愛もセックスも適当に流すことができる。

でも、まじめなひとは、とことんやってしまうの。

その痛さ…。

そのことがよーくわかる映画。

「モテていいな」とか言ってられなくなる痛さです。

「モテる」とは結局、やりたい女とすぐやれることだと思ったら、こういうかたちになってしまう。

極限を描いてみせることで、この本質をあぶり出すという、まことに私の好きなタイプの作品であります。

適当になんでも流して、楽しむの、できないし、苦手なんだ。

だから、そういうドラマや小説も苦手で…。

でもはまりすぎる話は嫌われがちなので、道は険しいです。

なんでも、ゆるふわが好きな、このニッポンのエンタメは生きづらい。