山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

業界用語と仕事の慣れ。

ツイッターで、「ご飯」とは炊きたてのお米のことをさし、冷めたものは、「飯(メシ)」と言うと知った。

だから、朝ご飯、昼めし、夕めしとなるって。

へえ、なるほどなー。

ところで、自分がいるテレビ業界では、ご飯のことをよく「めし」と言う。

さらに、業界用語も加わって、「シーメ」とか言ったりもする。

けど、言葉の正しい意味でいうと結構合っていることになる。

だって、スタジオ収録やロケの時はお弁当を食べることが多いから、ご飯はたいてい冷えて「めし」となる。

けど、女性としては、どうかと思う、語感でもある。

「さ、めしにしよう」とか「メシ、喰った?」なんて言葉を習慣で日常的に言ってしまったりするのだ。

よくないわね。

最近、自分が習慣と思っていることに、光を当てようというか、顧みようという気持ちになっている。

というのは、先日、とある新聞記者の方とロケに行き、話を聞いて、はっとしたからである。

この方は、取材などで世界中を飛び回っている。飛行機のマイルがじゃかじゃか貯まっているそうである。

そういう場合、飛行機のなかですることと言ったら、「寝ること」、せいぜい、映画見まくるくらいになるはずだ。少なくとも自分はそう。

でも、好きな映画を機上の小さなモニターで、見るのはあまりいただけず、よって、飛行機に乗るのはいつも面倒くさいし、あんまり好きじゃなかった。

ところが、この記者の方は「飛行機に乗るのが大好き」と仰るのである。

なぜなら、「この飛行機は何型かな」とか、「どんな航路を飛ぶのかな」「今日は窓から富士山が見えるかな」とか、とにかく楽しむことがたくさんあるから…という。

飛行機のタイプについても詳しいし、航路も調べたりしている。窓からの景色を熱心に見るそうである。

それをまた、生き生きと語られた。

ああ、すばらしいなーと思った。

人生を重ねて、いろんな経験を積んでも、(ちなみに、その方は私より年上)、身近なものを何度でも楽しみ、新しい魅力を見つけていく。

それって、とても豊かなことだなあと思った。

自分など、すっかり、飛行機はじめ、車移動、電車移動、すべてこれ、睡眠時間と考え、その道中を楽しもうなんて、これっぽっちも思わなくなっていた。

飛行機はいつも通路側で、出入りのしやすい場所を選び、よく眠れることがもっとも目指すべきことになってしまった。

思えば、自分だって、窓から空を見ることを楽しんでいた時代もあったのに。

すっかり、いろんなものから受けるはずの感動から遠ざかってしまった。

ご飯を「めし」と呼び、仕事中は、メシならなんでもよく、さっさと食べられればいいと思うようになっていた。

移動は早くて楽が一番…とか。

もちろん、仕事人としてはそれでもいいけど、ちょっとさみしくないか。

すさまないか、心よ。

……自分の言葉づかいもはじめ、もう少し、丁寧に生きてもいいんじゃないか、と思い直したのでした。

とはいえ、ここ数週間、とても忙しいので、なかなか、優雅なこともゆってられないんですけれどもね。

やっとこ、明日は、ちょっと休み~。うれし~。