山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

小さな変化。

3日ほど、熊本へ行って来た。

ドラマの取材のために、とあるライブを見に行ったんだけど、スケジュール間違えて、結局間に合わなかったという、とてもアホな旅であった。

が。

友人の編集者さん経由で、地元で性差医療を研究する医師の方と知己を得て、熊本巡りをしてきた。

水前寺公園をお散歩したり



ミニ懐石みたいなランチを食べたり



いきなり団子という、熊本名物の団子を食べたり



(ひとがいきなりやって来たとき、もてなすために作ったことが始まりらしい。サツマイモと餡をうすい皮で包んであり、できたてのほくほくした感じがうまい)

「桂花本店」行って、熊本ラーメン食べたり。



で、くせになって、翌日は、「伝」って店でまた、食べたり。



泊まったのが、歌舞伎町のどまんなかみたいな場所だったので、明け方、ひとりゆく猫に親しみを覚えたりしました。



性差医療については、初めて知って面白かった。性差医療ってざっくり言えば、男と女で、なりやすい病気も違えば、治療法も違うってこと。

これまでは、患者はすべからく、「男性」を想定した医療であったこと。けれども、男女という差異を考慮にいれないと的確な治療ができないという。

例えば、心臓病にかかるのはほとんどが男性で、認知症は女性が多いとか。

そのような話を現場で格闘する医師から聞けて面白かった。

それから、今回泊まったホテルでも性差についてちょっと考えることがあった。

そこは、いわゆるビジネスホテルで、狭いユニットバスには、ボディソープと並んで、リンスインシャンプーが備え付けられていました。まあ、よくあることです。

リンス、コンディショナーがないと、髪がばさばさになるから困るけど、いちいちコンディショナーを持って歩くほど、自分は旅先での美容に気遣いがない。

ホテルにあるものでいいや、という考えです。

なので、リンスインシャンプーにあたると、あーあ、と思いつつ、諦める。

ところが、今回、泊まったホテルの案内に、「女性用にいろいろなシャンプーとコンディショナーを用意してあります」と書いてあるのを発見した。

おお!

早速、フロントに電話すると、「取りに来てください」と言われる。

面倒くさいな-、持ってきてくれたらいいのに…と思いつつ、下りていく。

すると…

シャンプーバーなるものが…。



このなかから、好きなシャンプーとリンスを選んで、小さなカップに入れて、部屋に持ち帰るというシステムなのだ!

カップはハンバーガーショップでケチャップや辛子をいれるような容器だ。

カップのそばにはマジックペンもあり、シャンプー、リンスなどと書き込むことができる。

なんて、気遣いなんだ!



このようにして、シャンプー&コンディショナーを入手できたのであった。

いやあ、なんか、すごく考えさせられた。

ビジネスホテルって、ずっと男性の客向きに作られてきたと思う。

アルコールの自動販売機やアダルトビデオの放送、備品に必ずシェーバーはあるけど、シャワーキャップはない。

けれども。

仕事する女性が増え、出張する女性が増え、ホテル側もそれに対応するようになってきたんだなあと。

女性は男性よりも、仕事ですら「見た目」で評価されやすいから、出張先でも身だしなみは大切。コンディショナーを使わないばさばさの髪では、やる気もそがれるというもの。

このほか、パワフルなタイプのドライヤーや加湿器も借りることができた。

たくさんの女性が、出張して、頑張って仕事してきたんだなあ、それで、少しずつ変わって来てるんだなあと思ったら、じんときた。

小さなカップにコンディショナーを入れて、部屋でシャンプーして翌日にそなえる彼女たち。

彼女たちがうまく仕事を乗り切れたらいいなあと思った。

こういう少しずつの変化に接すると、この世界も捨てたもんじゃないと思ってしまう、単純さなのであった。

(熊本で、映画「紙の月」を見ました。それと、「ニンフォマニアック」もようやく1,2とも見たので、おって、その感想を書きたい)