山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

49歳でコンビニでバイトする。

7月最後の日曜日。

だいぶ良くなったとはいえ、まだ、体調優れず。相変わらず、ぐったりモード。クーラーをつけると悪化しそうなので、風だけで(?)やっているせいが、なんだか汗だくになってくる。東と南に窓があるので、両方を開け放つとそれなりに風が通り、涼しくないこともないんだけど。もはや、風邪の悪化が怖くて、クーラーのスイッチを入れることができない。

話は変わって、今日、ぼんやり考えたこと。

snsでニュースを読むとそれについてコメントをしているひとがいる。たとえば、先日、コンビニ強盗の記事を読んだ。強盗は小銭じゃ足らないといって、レジからお札をわしづかみにして逃げたとあった。その額、およそ40万円。ふうん、ひとにぎりで40マンくらいなんだーと漠然と自分は、読んだ。すると、その記事にコメントを書いているひとがいた。

その内容は、『アルバイト店員(49歳)…プハ!』であった。強盗にあったコンビニの店員さんが、アルバイトで、49歳だったらしいのだが、このコメントをよせたひとは、そこに一番、ひっかかったようだ。つまり、49歳にもなって、コンビニでアルバイトって…という嘲笑を含んだコメントだと思う。

そういうところを注目するのか…としばし関心した。確かに、49歳でコンビニでアルバイトというのは複雑なものかもしれない。もうすぐ、50歳なのに、なんで、バイトなんだ?とか…。けど、実はこのひと、身分を隠して潜入中の、ライバルコンビニのスパイかもしれないし、もっとれっきとしたスパイかもしれない。どっかの国の…。あるいは、つい半年前まで、大企業のお偉いさんだったけど、そういう肩書きがいやで、ふらっとやめちゃって、気楽にバイト生活に入ったのかもしれない。(映画「アメリカン・ビューティー」の主人公のように)。あるいは、ミュージシャンとかかもしれないしさー。まあ、いいじゃん、49歳でコンビニバイトでも。

で、次の瞬間に私が考えたのは、このコメントを寄せたひとについてだった。このコメントを書いたひとは、この記事のなかで、もっとも注目したのが、49歳なのにコンビニのバイト…ってところだったのだろう。そこへ目がいくってことは、たぶん、本人もそういう危機感を抱きながら、まだ、そこまでいってないひと…の場合が多いんじゃないだろうか。

たとえば、39歳、コンビニバイト…みたいな。そのひとが、49歳バイトを笑うのは、とりあえず、自分がそこまでいってないという優越感があるという一方で、そういうひとを笑わないとやっていけない今があるということだろう。(あくまで、想像です)。そのひとの心にあるのは、「バイトだけじゃ心配だ。正社員なりちゃんとした仕事がほしい」というものであり、「年齢も迫ってきている」ということだろう。年齢と境遇…これを気にかけているひとってことになるんじゃないかな。

ひとが何に反応するかって、とても興味深い。ちょっと長くなるけど、自分が体験したある話。とあるパーティーに出かけて、知り合いの女性に会った。自分よりぐっと年上のひとであった。その方から、パーティーの主催者との関係を聞かれた。私は正直に、「かつて、何度か、仕事の企画で声をかけてもらったんです。結局、一緒にお仕事することはなかったんですけど…」といった。すると、その女性は、「美貌で、○○さんに負けたのね」と仰ったのである。

たいへん、びっくりした。○○さんとは、確かに美貌のクリエーターで、売れっ子なのであるが、自分より15歳くらい下だし、そもそも彼女も美貌で、今日の地位を勝ち取ったのではなかろう。(知らないけど…)。そして、もちろん、そのパーティーの主催者も美貌で、仕事相手を選ぶような人ではなかったのである。(いや、もちろん、全部を知っているわけじゃないけど、そういうタイプのひとではない)。

かなりショックを受けてしまった。自分でもどこにショックを受けたのか、最初はわからなかった。○○さんに美貌で劣る…と言われたことか?いーえ。いや、もちろん、美貌で劣っていたけど、年も違うし、自分たちの仕事はモデルとかではないので、勝負所は別にあると思っていたから、そういうふうに考えたことはなかった。いや、もちろん、どんな仕事でも美人は得だとは思うけど、まったく力がなければ、どんなに美人でも、それほど中心的な仕事を得ることはできない。(少なくとも自分のやっている仕事については、そう思う)。

わたしがショックを受けたのは、そのひとの考え方であった。美貌で仕事がとれる…と考えるのか…ということ。同じ女性なのに…。冗談であったかもしれないけど、どうしてもそれほど楽しい冗談には思えなかった。これが、男子から言われたならわかる。けどさ、同じ女性で、同じ業種のひとがそんなこといったら、これまで額に汗してきた、自分たちの仕事ぶりに泥を塗ることにならないか…というショックだったのであった。

けど、たぶん、その方は、「美人は仕事がとれる」と非常に強く思っていたからこそ、そういう反応が出てしまったのではないか…と思った次第。

長くなった。思わぬところで、自分が何にコンプレックス(ってよんでいいのかな)を持っているかがあばかれるなーと思いました。