山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

舞台・ブス会「女の罪」

原宿のリトルモアの地下にて、演劇ユニット(っていうのかしら)
「ブス会」の「女の罪」を見て来ました。

その過激なタイトルにひかれたわけです。

しかし、出演者も内容も特に「ブス」をテーマにしたものではなかった。というより、出演者の女優さんたち、キレイでセクシーでした。

都心ではないと思われる町の小さなスナックみたいなところが舞台です。カウンターとテーブル席がひとつにカラオケセットがあるような感じの店。あーあるあるって感じの、長い人生なら、だれでも1度は行ったことあるようなたたずまいの店です。狭い劇場なのに、舞台セットがとてもリアルでした。

その店の一夜の出来事です。セクシーで謎の多いママ。かわいらしさを売りにしている感じのバイトのコ。常連風の風俗嬢。そして、そんな店に似合わない、ふらりと入って来た主婦。そこへ、さらに、その店の元・バイトで現在はキャバクラ嬢をやっているコがやってきて、まるで、本当にその店にいるような気にさせられるくらい、リアルに芝居は進んでいきます。

この5人の女たち、それぞれに問題を抱えているわけですが、その問題が少しずつばれていくというか、明らかになっていきます。その過程をドキュメントを見るみたいに見ることができます。まさに、ガールズトークの渦中に投げ込まれたよう。

タイトルは「女の罪」ですが、なるほど、見終わって思ったのは、「だれが1番罪深いのか?」ってテーマであったのかな、と。

自分は、だれも罪深いとは思えなかった。みんなそれぞれに、なんとかやっている感じがして、罪も罰もないよなあと思いました。

それと、その店がとてもいい場所に見えました。結構、どーしようもない女たちの集まりなんですけど、案外、居心地がよさそう。そして、その店に初めて来た主婦なんかは、その店で過ごすことで、また、その店にいる女子と話すことで、きっと随分、救われたよなあと思いました。

作・演出はペ・ヤングマキさんという劇団ポツドール出身の女性。

夜の町にある。バーとかスナックとか風俗とか、そういう場所って、なんかある種の聖性を帯びるなーと思いました。崖っぷちの人間のたまるところなんだけど、そこで、好き勝手にしゃべることが、救いにつながるような。ファミレスだったらこうはいかないような。

あ、ファミレスなら別のドラマが生まれそうだけど…。

今日が初日で、8月10日までやっている模様。でも、すでに結構、予約いっぱいかもしれない。

こういう女子の本音トークって、普通の男子はどんな気持ちで見るのかしら。自分は「あるある」って感じで見ていて、まったく違和感なかったけど、純な男子は、「びっくり」するのかなあ。聞いてみたいところです。