そんなわけで、マメに更新。
今日は、先週行った、ブス会のイベントのお話。
ブス会を知ったのは、かのポツドールがらみで、数年前から通うようになりました。
前にも書いたけど、この「ブス会」というネーミングにたじろいで。
そのストレートさとゆるぎのなさに。
けど、実際の舞台では、小劇場系ではかなり美しい人が出演されていて、全然、ブスじゃなかったです。
物語のほうは、女性の本音炸裂というか、普通、男性には見せないような、女性同士でも隠しておくような出来事をこれもまたストレートに描くという潔い舞台でした。
で、イベント。
2006年に上演された「女の道」という芝居を映像で見て、その後、演出のペヤンヌマキさんとav女優さんやライターさんがトークする、というもの。
この2006の舞台は未見だったので、見られてよかったー。
AVの撮影現場の控え室で、AV女優たちが繰り広げる、群像劇です。
ベテラン女優あり、崖っぷち女優あり、新人、売れっ子、ひと言でAV女優といってもさまざまであり、その差異を描くことで、女性たち一般に通じる、女の性の悲哀や笑える部分が浮き彫りにされておりました。
そうしてみると、AVという特殊な世界がそれほど特殊じゃなく見えて来て、そこにいるのは、身近な女たちとなにも変わらない女たちであるということが、ひしひしとわかってくるんですねー。
ここらへんは、前回見たポツドールの「夢の城」に通じるところがある。
過激な世界を描いているようでいて、ていねいに繰り返し、細部を見せることで、その過激さを漂白していく。
暴力やセックスで驚かせたり、それが異常なことであるようには見せていない。
それと、「女の道2006」はやはり、女性の本音と男が求めるもののズレをくっきりと描いていましたね。
なにしろ、AVですから、男性を萌えさせるために作っているわけです。
まるでそれがリアルな女性の性欲であるように撮しているけど、実際は、演じている、はなからリアルを見せていない。そこらへんをかなり辛らつにさらりと描いています。
彼女たちは嘘を演じているんだけど、その嘘が現実を侵食してくるようなところがあって、それが悲しくも痛いところでもあり、また、面白いところでもあるんですねー。
その数日後に、上野千鶴子さん、信田さよ子さん、北原みのりさんのトークイベントに行きまして、そこで少しだけ、AV女優の話題が出ました。
援助交際は女を傷つけるのか…という問いかけのなかで、会場の若い女性から「今はAV女優でも自分の仕事に誇りを持って、堂々とやっている女子がいる。そんなに傷ついていないのでは…」みたいな意見がありました。
果たして、本当に女性たちは、売春やAVに出ることを平然とやってのけられるようになったのでしょうか。
体を売り物にしたことを、ステイグマとして背負うことはなくなったのだろうか。
「女の道」に出てくるAV女優たちが外の世界でどうふるまい、どう扱われているかまではわかない。控え室は彼女たちが自由にふるまうことのできる、ある種安心できる世界だから。
このあたりのことは自分にとっても、大きなテーマなので、じっくりもっと考えてゆきたいと思っております。
今夜はこのあたりで。