ここのところ、いろいろ興味深いものを見に行っていたのに、なかなかブログを書く時間がなくて、失礼していた。
先週は、松尾スズキさんのひとり芝居「生きちゃってどうすんだ」を見ました。
いやー濃い内容でした。
「ひとり芝居」というものに偏見というか、ある種のパターンを想像していて、それは、演技に自信のある俳優さんが、「俺(もしくは、わたし)の芸を見せてやる!」みたいな印象があって、その芸を見に行くような感じがちょっと苦手でした。
物語好きの自分としては、物語<俳優、みたいなのがちょっと…。
が。
松尾スズキさんの舞台は、私が思っていた「ひとり芝居」を完全凌駕していました。
「ひとり」であることや、それが「松尾スズキ」という俳優であることを忘れさせる、そのまま面白い舞台だったからです。
幕が上がると、昨秋亡くなられたシルビアクリステル演じた「エマニエル夫人」が愛用していたような椅子の上に、妙齢で奇妙な女性が座っている。
いわゆるオネエ言葉で語り始め、おまけにシャンソンまで歌う。実はこのあたりで、やばい?と思ったんです。この場合の「やばい」は悪いほうのやばいです。
美輪明宏さんの物まね風だったから、もしかして、このまま、「ものまね」オンステージみたいになるのだろうか、だとしたら、やだなーと思いました。
とはいえ、歌もたいへん、聞かせる歌いっぷりだったので、歌謡ショーなら歌謡ショーでそれでもいいか、みたいな軽い開き直りで見ていたら、こちらのそんなゆるみをひっくり返すような、骨太な物語が展開しはじめたのでした。
まずその物語の豊かさというか、単純に面白さにしびれ、さらにそれを構成する映像やら装置やら、そしてもちろん、何人もの登場人物を演じ分ける巧みさにどんどん引き込まれていきました。
ある種、舞台でしか演じられない、強烈なストーリーであり、セリフであり、演技。
ゆるみなし!
いききっているというか、こじゃれた物言いなら、「エッジの効いた」舞台。
満喫しつつ、エリをただす思いがしました。
つまり、「貫く強さ」に身が引き締まる思いがしたのです。
強烈さを貫き、ヒューマニズムやあまい同情やキズナやらを吹っ飛ばす力。
こういうのって、ある種の若さが必要だけど、よわい50歳の松尾スズキさんが、前衛であり続ける感じにひれふしたのでした。
かっちょええ。
あの舞台見て、行けるところまで行ってみようという気になりました。
その後、見に行ったのは、「ブス会」の2005年の舞台映像+トークイベント、「東電OLから木嶋佳苗まで」のトークイベントの2つ。どっちも濃いぜよ。
その間に、久しぶりに千葉県の動物愛護センターにロケも行って、ずいぶんと改善された様子を撮影してきました。
「ブス会」と「毒婦。」イベントについて、明日以降でちゃんと感想書こうと思います。
年末に近づいてるけど、やる気出てきた。
おせーよ!