山田あかねの一喜一憂日記

テレビディレクターをやりながら、小説書いてます。映画も撮りました。脚本なども書いてます。 本、買って下さいね。

韓国、討ち入り。

そんなわけで、明日から韓国へロケハンに出かける。まあ、5日間くらいなので、あっという間だし、荷物も少ないし、ロケハンなので、ロケよりちょっと緊張感が少ない。

でもって、今夜は、ささやかな討ち入り。

討ち入りっていうのは、テレビ業界用語なのか、わかんないけど、ロケの初めの日にスタッフで集まって飲むこと。「打ち上げ」っていうのは、みんなもよくやると思うけど、「討ち入り」はそんなにポピュラーじゃないよね。テレビでも主にドラマの習わしだし。まあ、始まりに集まって飲み(討ち入り)、終わりに集まって飲む(打ち上げ)ってわけです。

とはいえ、今回は深夜のドキュメンタリーだから、スタッフも少ないし、だいたい海外ロケだし、討ち入りもなにもないんだけど、まあ、出発前に飲みましたってだけかな。心優しいプロデューサーが一席設けてくださったのでした。

その時話題にのぼったことを少し。
最近の若いひとは年上のひとにタメ口を聞くヤカラが多いよね、って話。20年におよぶテレビディレクター生活で、一緒に仕事をしたADさんはたくさんいる。私はどんどん年をとっていくけど、ADさんはたいてい20代だから、年齢差は開いて行くのに、その差が実感できない。

最初にディレクターになった頃、自分より2、3歳年下のコがADだったので、今でもつい、そういう感覚になってしまう。(今でも!)その上、最近のコは、ほんとタメ口だから、自分の年齢をなかなか自覚できないじゃないか、どうしてくれる、とADにつっこんでいたのだった。

そのADについても、つい友達のようなつもりになってしまい、
「韓国行ったら、なにして遊ぶ?」なんて相談しちゃうのだ。彼女はたった25歳なのに。
そこで、
「こっちがいつまでもオトナになれないのは、そっちがオトナ扱いしてくれないからだよ」とつっこむ。すると、ADさん、答えていわく。

「私たちの世代って、かなり若い頃から、オトナは尊敬できない、って思っちゃってるんですよね、だから、ついタメ口かも」
「ほほう、なんで尊敬できないの?」
「私は、あれですよ、援助交際ですよ。あれですっかり、おやじなんて全然尊敬に値しないって思っちゃったんですよ。あ、そんなに若い女がいいんだ、若いって偉いんだって、思ってしまったところがあるんです」 とこのような会話が展開されたのだった。もちろん、彼女は援助交際をしていたわけではないし、仕事のできる優秀なひとだ。けれど、エンコーはなやかなりし時代に、10代を過ごしたため、「けっ、オトナなんて考えていることくだらないじゃん」という視線を獲得してしまったのだ。

なるほどなあ、と。エンコーなどというものは、その渦中にいなくても、このような悪影響を残したわけですね。団塊の世代の方たちのころは、オトナとは反抗の対象であったろうし、私たちのころは、反抗の対象からは滑りおちていたけど、タメ口聞くほどには、落ちていなかったように記憶している。けど、今のコたちにとっては、オトナとは、年とってるだけで、欲望まんまのひとたち、ってわけだ。いやはや。

そんなことを笑って話しながら、明日から始まる韓国取材にリキを入れたのでした。
(ってそんな話題でよいのか、とお疑いでしょうが、その前には、きっちり、仕事のこと話しているからいいのだ。)

明日はソウルから、お届けいたします。