山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

ツーアウトな人生?

今日は、自転車キンクリートの「ツーアウト」という芝居を見に行った。

タイトルの通り、野球をモチーフにした芝居である。しかも男メイン。自転キンといえば、デビュー当時から女子大生の本音を描き、どちらかというと、女子の気持ちを忠実に描いてきた劇団である。なのに、男子、しかも野球かーと少し意外でした。が、なかなかどうして、じっくりよく練り込まれた作品でした。

自分は野球のルールや言葉(用語?ストライクと三振くらいはわかるけど、サチュウカンがどうしたと言われてもよくわからない)がよくわからないので、たぶん、物語の展開と草野球の試合経過が絶妙にリンクしているのだろうことは想像がつくけど、いまひとつ、ぱっとわからないので、そこが残念でした。

最初は、ちょっと退屈な草野球の負け試合を見ている感じで、のんびりしているんだけど、試合が進むにつれ、いろんな人物が登場して、どんどんお話が面白く発展していった。主人公のダメ監督、かれを励ますチームメイト(役割がよくわからない)、監督の会社のへんてこOL,さらに監督の息子、さらに、草野球の代打や(?)みたいなひとも現れ、疾走した監督の行方と試合の行方が重なって、結構笑えてじんわりする内容だった。

どうしても、職業柄「さて、どうやってラストに持って行くのかなー」って思ってしまう。ドラマや事件の設定や始まりを考えるのはわりと簡単だ。「真夜中に女子大生が、携帯電話を100個食べて死んだ」とか「痴漢をつかまえてみたら、おじさんの恰好をした女子中学生だった」とか、いくらでも、好き勝手なことは考えられる。が、問題はそれをどう進めて、どう落とし込むか、だ。ある夜、ひとりの青年の頭が突然燃えて死んだ(ガリレオの一回目)って考えたら、お客さんが納得できる理由を考えないといけない。なので、ついつい、「で、どうなるの?」と思ってしまう。

「ツーアウト」の終わり方を書かないけど、なるほど、そういうふうに持って行くんだーという感じでした。終わり方っていうより、終わらせ方かな。わりかとハートウォーミングでした。昨今、イキウメとかポツドールとか、きつい感じの芝居を見てたので、なんだか、懐かしいようなほっとするような感じでした。

(えっと、昨晩はライブ、今夜は芝居と、一見、遊んでいるように見えますが、いえいえ、ちゃんと働いています。芝居は芝居だけ見てさっさと帰ってきたし。これから、書くし。)

週末から北海道に行くことになり、にわかにあわただしいのでした。北海道はもうダウンジャケット必要かなあ。