山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

今頃、松子。

昨晩は、映画「嫌われ松子の一生」を見ました。

今頃、なにをやっているのだ…と思われるかもしれませんが、自分の映画のなかで、CGで描くシーンがあるので、お勉強のために見たのでした。友人から、「予算が全然違うから、参考にならないよ」と言われましたが、なるほど、お金、かかってそうな作品でした。

でも、やっぱり勉強になったような気がする。あーこういう表現方法あるんだなーとか。中谷美紀さんっていい役者さんだなあとか、黒沢あすかという女優さんのファンになりました。瑛太さん、伊勢谷友介さんもかっくいいー。…と素人的感想のあとに、ざっくり映画の感想を。

(日本中が「おくりびと」で喜んでいる時に、なに、全然関係ない話しているの?って感じでしょうけれども…)。

「嫌われ松子の一生」ってその映画的手法の斬新さと、物語の古さのギャップの激しさが面白かった。というか、物語がとても「昭和っぽい」お話だから、あえて、監督さんは、手法を斬新にしたのかもしれないと思いました。これ、リアルに撮ったら、すごいクラシックな印象の作品になってしまっただろうなあ。ちょっと冷や汗が流れるような。

松子さんのキャラというのは、かなり、昔の「女」のキャラでした。つまり、人生すべてが、「男とのかかわり」「男からの評価」によって成り立っている。もちろん、昭和まではそういう時代だった。幼い頃は、父の庇護のもと、成人してからは、夫もしくは、夫に準ずるひとに従って生きていく。自分がどうありたいかではなく、一緒にいる男によって、自分の人生が変わってしまう女性の物語です。男なくして、人生なし!ということだ。

しみじみ、あわれで切ない生き方です。でも、ほんの20年くらい前までは、ほとんどの女性がこういう渦のなかで生きていたんだよなー。せつないなー。時代が巡って、アメリカでは女性が大統領候補になるところまできて良かったです。

それでも、「カシミア・マフィア」を見ると、優秀な女性でも、変な上司にいじめられたりするシーンは山ほど出てくるから、まだまだ、女は生きるのが大変なんだと思う。松子さんほどではないけど。

あまりに悲惨なことを描くには、かえってコメディがよい…という法則がある。松子さんほど、不幸なら、もはや笑える…ってことなんだろうなー。でも、自分は同じ性別だから、笑いきれないけれども。

というわけで、CGのつくりとか現実からの飛ばし方とかすごい勉強になりました。楽しかった。

自分も映画作っています。

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