あけまして おめでとう ございます。
年内に日記を更新する予定でしたが、ばたばたしているうちに年が明けてしまいました。
2010年度中に犬の旅のクライマックスを迎える予定でしたのに、間に合いませんでした。
このように、毎度、抜けておりますけれども、今年もよろしくお願いいたします。
…さて、新年の挨拶が終わったところで、さっそく、「イギリス 犬の旅 ゴールデンレトリーバー発祥の地」クライマックスです。
ゴールデンを交配したツイードマス卿の犬舎を後にして、ツイードマス卿のお城目指して出発しました。
この日の気温は、零下10度くらい。底冷えがしますけど、ディーファが一緒なら、大丈夫。
「早く、おいでよ」とディーファが振り返ります。
彼女のいつもの散歩道だそうです。
牛もいました。寒くないんでしょうか。
小さな川もありました。雪のせいか、水量は豊かで流れも速いです。
こんな感じで道は延々続きます。
しばらく行くと、遠くになにかが見えてきました。
もしかして、あれは、ツイードマス卿のお屋敷では…?
案内してくれているジェニーさんに聞くと、「そうよ。あれがお城のあと」
おお、三時間かかると思っていたら、30分くらいでした。
お城のほかに、滝や森の散歩道をめぐって、往復三時間って意味でした。
ほっ…。
ツイードマス卿のお城に近づいていく様子は、動画で、どうぞ。
さらに、細部を…
静止画でも、全景をごらんください。
すごく大きいです。そして、ほとんど、壁しか残っていません。
ツイードマスさん、犬に関しては熱心だったようですが、どうも、次第に経済的に困窮するようになり、没落していったそうです。
お城ごとに税金がかかった時代があって、税金を逃れるために、屋根を壊したといいます。屋根がないと税金の対象にならなかったんですね。
節税のために、壊されちゃったなんて…もったいないです。文化的価値(ゴールデン発祥の地としての)あるのになあ。
そんな話を聞きつつ、デイーファと記念撮影。
よくいうことを聞くよいコです。
裏側にもまわってみました。
あたり一面、雪景色。ほかにはなにもありません。
その様子を動画でごらんください。
…と思ったら、これ以上アップできないみたいです。(一日2コなので、これは明日)。
とにかく、まわりにはなにもない荒野のごとき場所に、ツイードマス卿のお城は忽然と立っていました。
かつてはグシカンの中心として、ひとびとが訪れ、狩をしたり、舞踏会をしたり(これは想像)、賑わっていたのでしょうか。
さて、これで、念願であった、ゴールデンレトリーバー発祥の地に立つことができました。
吹きすさぶ風、張り詰めたような冷たい空気、壊れ果てた城。
これらを前にして、自分は何を感じたのでしょうか。
犬(ゴールデンレトリーバー)のソウルに触れることができたんでしょうか。
犬好きだけに許された、ひらめき、天からの声、なにかが聞こえたんでしょうか。
少し恥ずかしいですが、この日の夜、コテージで書いた日記(ブログ用ではなく、まったくの個人的な日記)をここに引用したいと思います。
その時の気持ちがよく現れているので。
これにて、今日のブログは終了です。明日から、おまけとして、帰りに寄った、ゴールデンレトリーバーのブリーダーさん宅の様子をご紹介します。15頭の犬たちに囲まれて至福でした!
12月10日 スコットランド グシカン トミックムラ
ゴールデンレトリーバー、発祥の地を訪ねて。
インバネス空港から車で3時間くらいの村、ツイードマス卿の屋敷あとのある場所を尋ねる。到着時は、夕方だったので、すでに真っ暗でなにもわからなかった。インバネスの街中は、北の町らしく、ちょっとさびしげに感じた。
パリやロンドンから比べると、なにもかもがこじんまりしていて、暗いトーンで時間が止まったように見えた。
村について、コテージに入った。3つのベッドルームのある豪華な一軒や。でも、寒い。
コテージに泊まり、朝は7時には目覚めるも、寒くてベッドから出られない。結局、起きたのは9時すぎ。朝食のあと、犬舎だったという場所を訪ねる、現在は、コテージのオーナー夫妻の住居となっている。内装はとても豪華で清潔。かつて、そこが犬舎であったとはとても思えない。面影もない。
当時は犬のために床暖房が施され、使用人は犬舎の二階で生活していたという。近くに、犬のための湧き水があったことから、ここを犬舎にしたという。現在は、その湧き水は埋め立てられているらしい。真価のほどはわからない。
次に雪道を2~30分ほど歩き、ツイードマス卿の屋敷あとに行く。廃墟になっている。
まわりにはなにもなく、ひたすらの雪原。四階建ての屋敷だったらしい。1868年にゴールデンが交配されたという。ノースというイエローーレトリーバーと、スパニエル種が交配され、4匹のゴールデンの始祖が生まれたらしい。
それらの事情を思い浮かべつつ、屋敷の周りを歩く。写真をたくさん撮りながら思うことは、ここは、ミニの先祖の場所なのだ…ここで生まれたゴールデンレトリーバーという、美しくも賢い犬種が海を渡り、何代もの時を経て、私のところへやってきたのだ…という感慨であるけれども、でも、一番感じたことは、ミニの故郷は紛れもなく、私とミニが暮らしたあの白金のマンションであり、ミニの居場所は今までもこれからも、私の心のなかなのだということを思う。
日本から何十時間もかけ、ロンドンから、さらに飛行機に乗り、車を走らせ、ガイドを雇い、多大な時間とお金と労力をかけて、はるばるスコットランドの地にやってきたけれど、そこでわかったことは、ミニと私の関係のかけがえのなさである。なにもここまで来なくても、ミニはずっと私の心のなかにいる。そのことを強く思った。
しかし、そのことを確認するために、ここまで来たのかもしれない。ミニはここにはいない。ここにミニの面影はない。たくさんの犬に出会い、触れて、一緒に歩いても、それはミニではない。ミニは唯一の犬であり、どこにもいないのだ。唯一の居場所は、私の記憶のなかだ。そのなかで、ミニは永遠に生き続け、私を励まし続け、たくさんの愛情をくれたこと思い出させてくれる。
ミニ、お母さんは今、あなたの祖先が生まれた場所にいるよ。ここで生まれた犬から、たくさんの時間を経て、あなたが生まれ、私と一緒に生きたこと。その奇跡のような幸せを感じるよ。
ミニ、聴こえてる?
ミニ、ここはとても寒いよ。もし、ミニも一緒だったら、寒くて一緒に震えたね。
今日、一緒に歩いた、ディフィと仲良くできたかな。一緒に歩きたかったね。
でも、ミニは雪の道なんか、長い時間歩いたことなかったから、びっくりしたよね。
でも、広々としたところは大好きだったから、飛び跳ねたかな。
こっちのパンやチーズを食べたかな。
ミニ、もう少し長く一緒にいたかったね。
本当にごめんね。あの薬を飲んでから、つらかったんだよね。苦しかったんだよね。
でも、私を悲しませないために、ずごくがんばったんだよね。
ありがとうね、ミニ。
あんたはいつも、私を楽しませてくれて、最大の愛情で迎えてくれた。ミニがいてくれたことで、どんなに幸せだったか。
あなたと生きた10年がどれほど幸せだったか、今になって思うよ。
本当にありがとうね。天国でカナと会えたかな。カナも大好きだったよ。カナのが強い子だったね。
カナ、ミニ、二人で楽しくやっていてね。そして、いずれ、私もそっちに行ったら、ずっとまた、一緒にいようね。広々とした原っぱを走ったり、海で泳いだり、体を丸めて、一緒に寝たりしようね。それまで、もう少し待っていてね。
カナ、ミニ、大好きだったよ。