山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

クリスマスはちゃんこ鍋で。


というわけで、クリスマスが近付いてきた。ので、犬を飾り付けた。

実はあんましクリスマスに興味ないけど、世間は騒がしいもんだ。
数年前、打ち合わせで表参道のイタリアンにいったら、私たち以外が全部カップルでびっくりしたことがある。なにが起こったのかと思ったら、クリスマスイブだった。

とそんなふうに偉そうに言ってるけど、私もみなさまのようなイベントは一通りやって参りました。なにしろ、あのハレンチな80年代に青春を送っているので、
クリスマスイブには、彼氏とシティホテルに泊まらないと、逮捕されたもんだ。
バカでしたねえ、あの頃。

しかし、今でもそのようなしきたりというか、社会的同調圧力はあるらしく
(なにしろ、「ラストクリスマス」つうドラマやってるし)
周囲の若い女性はにわかに殺気だっている。
(一緒に過ごす相手がいないことが、人間失格めくのか)

このような風潮を作ったのは、松任谷由実先生でしょう。
「恋人がサンタクロース」という曲の登場で、それまでクリスマスは家族で、不二家のケーキ喰って、満足していたのが、恋人と過ごさないといけなくなってしまった。
おまけにサンタクロースに代わって、男はテファイニーの指輪などを配るという仕事を与えられてしまった。

さらにこの曲がきっかけで、テレビドラマが次々製作され、人々はあおられ、黄金の80年代、クリスマス=色恋のイベントに昇格した。
(と侮蔑の文脈で書いたけど、「やっぱり猫が好き」で「クリスマス」つうタイトルで
 実は、私もそんなドラマ作ってました。当時は20代だったので、許して下さいまし)

ま、それはそれでいいのですが、その流れに終止符を打ったのが、名作「29歳のクリスマス」(脚本/鎌田敏雄/cx)でしょう。
あのドラマのラストには泣いたよなあ、29歳のクリスマスは女友達とちゃんこ鍋を食べるのだ。 はじめてのアンチテーゼ。
クリスマスは恋愛初歩のひとびとのイベントであって、
お利口な女はクリスマスに、よろめいたりしないのだ。
これを見て、ああ、よい時代になったものだなあ、と既に婚姻関係にあった私は
しみじみ思ったものである。

が、しかし。
「29歳のクリスマス」が放送されて10年くらいたって、
時代はまた逆戻りし始めている。
バックラッシュですね。

最近、私は年下の女子と遊ぶ機会が多くて(だって、同世代の友達はみんな忙しくって相手にしてくれないんですもの。仕事している人は出世競争だし、奥様たちは、お子さまの世話や両親の介護などがあって、そうそう飲み屋にはいないのだ)
するとですね、彼女らも「クリスマスどうしよう~」と揺れるのだ。

ここで私は言いたい。
クリスマスは女友達と(男でもいいし、ゲイもね)ちゃんこにしなさい。
そして、時間あまったら、「29歳のクリスマス」のビデオを見なさい。
そこでは、恋愛→結婚以外の道について、
輝く魅力の山口智子さんが演じてくれて、教えてくれるから。

それでも時間あまったら、「ベイビーシャワー」読みなさい。(って激しく宣伝)
39歳になったらクリスマスもへったくれもないって書いてあるから。
(書いてないか)
いや、そんなことで揺れないですむにはどうしたらいいかは書いたつもりじゃ。

ということで、
クリスマスイブにはちゃんこ鍋をおすすめ。