山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

歌う犬

パプアニューギニアの奥地にシンギンングドック、つまり歌う犬と呼ばれる、犬の原種がいるらしい。
前に、ナショナルジオグラフィックテレビで、シンギングドックを探すドキュメンタリーをやっていて、実際にシンギングドックが映っていた。歌う、というより、遠ぼえなんだけど、何頭かで吠えると、輪唱しているみたいで、なるほど、歌っているようにも見えなくなかった。
それで、その後、「すいか」(ntv)というテレビドラマでもそのネタを使った。

なんで急にそんなことを書くかといえば、今、うちの周辺をサイレンを鳴らした車、消防車だか、救急車だかが数台通り、ものすごくうるさいんだけど、開いていた窓から、うちの犬(ミニ、子供のほう)が顔を出し、サイレンに答えるように、「ウォーッツ」とやっていたからでした。うちの犬も歌っていた。

犬はリーダー犬を頂点に群れで暮らす生き物だから、山のなかで、連絡を取り合うために、遠ぼえをしていたらしい。一頭がなにかの合図で吠えると、どこかにいる別の一頭が声を出して返す。会話みたいなものだったらしい。

でもって、サイレンにはきっと犬の遠ぼえと同じ周波数だかがあって、本能で反応しちゃうのだろう。サイレンがなにに聞こえて、それに対して、なんと答えているかわからないけど。

こういう時、犬だなあ、野性だなあ、なんて思い、ウキウキする。
つまり、自分とはまったくちがう次元で生きているってことが嬉しい。地球は人間だけのもんじゃないって感じるのが、なんだか好きです。