山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

20代女と40代女では違うセクハラ。

よく知らなかったけど、アメリカのトヨタで大規模なセクハラ裁判が起こっているようだ。昼間打ち合わせした人から聞いて、夕刊を読んで知った。

65歳の社長が42歳の社長秘書に性的関係を迫って、訴えられた、というのが大筋のよう。この社長が日本を代表するトヨタ自動車の社長だったから、大事件になるわけだ。勝訴するとこの女性45億円(ドル?)もらえるらしい。う~ん、すごい。

しかし、この手のセクハラというのは、実はそこら中で起こっているのではないかしら。そしてね、この女性が40代というのが意外なポイントだと思うんです。ある意味、40代だから、訴えられたといえなくもない。

女は若いに限ると思っている男性も多いと思うけど、相手が20代だった場合、裁判まで行かないのは、たいてい、そんないやなオヤジ(上司)がいるような会社はやめてしまうからだ。いちいち訴えていたら身がもたないし、オヤジのほうも相手が若いと深追いしないんだよな、たぶん。

あるいは、若いと貧乏であるから、ついお小遣い程度でオヤジについていったりするわけだ。

ところが、年を重ねてくるとちがうんだよね。セクハラくらいで仕事や会社をやめるわけにはいかないんだ。特にそれまで積み重ねてきた仕事だったらなおさら。そして、「女」を売り物にしてきたわけではないという誇りも出てくる。さらに、この年になってなんでこんな扱いを受けるわけ?という怒りも強い。(あ~、よくわかる)

一方、オヤジには誤解がある。「いい年なのだから、もったいつけるな!」という誤解である。「俺様が口説いてやってるんだぞ」という態度に出る。これが若い女なら、「キモいんだよ、オヤジは」と怒って終わるが、オトナの女はムカついても、一応笑顔だったりする。それがさらに誤解を招く。仕事を長くやってきた女性ならみんなわかってると思うけど、いちいちハラをたてていたら、仕事にならないから、笑顔でやり過ごすのだ。

そしてオヤジは暴走。なかなか「YES」を言わない相手に対して、「女として下り坂なんだから、惜しむなよ」と暴挙に出るのだ。そして、堪忍袋の緒がきれた女性が、訴えるのである。

しかしな。
以前、似たような経験をしました。 結果、その仕事をフイにしましたけど、その顛末を映画監督仲間に話していたら、男の監督はこう言ったのである。「自分なら、映画撮らせてくれるなら、オヤジとだってOKだぜ」と。

ふうむ。男って目的のためなら手段を選ばないってこと?難しいよなあ。