山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

東京に生還!

今、都内の自宅でこれを書いてます。うーやっと戻ってきた。10日間の旅でした~。海は好きだし、自然も好きだし、ひとは純朴なのが好きだし、沖縄いいところだけど、最終便で羽田につき、タクシーに乗って、高速を走り出すと、なんともいえないうれしさがこみ上げてきた。

大海原や森林のなかで、ひとはリラックスするものだけど、もちろん私もそうだけど、でも、一方で何に懐かしさを感じるかと言えば、深夜になっても煌々と明るいライトやひっきりなしに車の走る高速、乱立する高層ビル、樹木のわずかしかない、鉄の柱とコンクリートの壁に囲まれた、排気ガスの香る場所に、心の底から懐かしさを感じ、とても安心するという、見る人から見れば悲しいサガでありました。

けどさ、多くのひとが、大自然のなかで協力して生きるより、コンクリートに囲まれて、ひととあまり関わらないように生きることを選んだ結果、都市ができてきたんだよね。自然は厳しいので、「癒される」って言葉が的確ではないような気がする。自分は何に癒される、救われるかと言えば、小説であり、映画であり、ようするに「ヒトのつくったもの」いわゆる文化ってやつで救われ、生きながらえてきたという実感がある。

と、くどくどと言い訳めいたことを書いているけど、深夜の高速を走りながら、ライトアップされた東京タワーが見えてきたら、冗談じゃなくて、泣きたい気持ちになりました。ああ、帰ってきたんだわって。

八重山の離島にいると、みんながとてもフレンドリーになってる。この私ですら、店で偶然隣に座ったひとに話しかけたり、道ですれ違いざまに「こんにちわ」なんて言ったりしてる。そのとき感じたのは、みんなここでは「いいひとごっこ」をやっているのではないかしら・・ということ。那覇の空港に着いたとき、「いいひとごっこ」をやってるひとはどこにもいなくなる。ベンチで隣あわせた人に、「どこから来たの?」なんて聞くひとはいなくて、すでに、ここでは「都市モード」になってる。

新宿と池袋の間に生まれて、10代の頃から、身動きとれない満員電車で通学し、心を許した途端になにされるかわからないという緊張感で日常に生きてきて、関わりたくないひととはなるべくか変わらず、伝統も義理も無視して、好き勝手に生きてきてしまった。でも、結局のところ、都会が好き、東京が好き。このどうしようもなく、猥雑で物価も高くて、ひとびとがいつも不機嫌な町。ここでいいや、私は・・ということを考えていました。

沖縄チャージしにくる女性については、後日考えて、書こうっと。

(沖縄写真は明日からまた、続けます)