山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

いま、コレが売れています!

コピーライターの糸井重里氏が、自分がコピーライターをやめた理由をこんな風に語っていた。

「今、○○が売れています!」というコピーがもっとも力を持つようになったので、コピーに興味がなくなった…と。

確かに、糸井重里さんが活躍をした頃って、凝ったコピー全盛期で、そのコピーの完成度の高さに惹かれて、商品も売れる…という構造だったかもしれない。はるか、幸福なバブル期。パルコのCMなんて、いったい、なにを宣伝し、なにを売ってるのかわからなかった。川崎徹さんの作品だと思うけど、いくつか覚えている。

狩人か、旅人か、パルコ。 とか

ヤバイ女ほど、マブイからつい。 とか。

なんかこんな感じ。商品そのものさえ説明せず、雰囲気を売る感じ。それが、今、もっとも有効なコピーは、「今、これが売れています!」「大ヒット上映中」などの、身も蓋もない感じになっている。雰囲気やイメージじゃなくて、具体的な数字がもっとも力を持つってことだよね。ううむ。

最近、この高度資本主義ってやつに、ほとほと、漠然と疲れちゃって。数字、数字ってうるせーなーって。
アメリカって、胃腸薬の次に売れているクスリが抗うつ剤である…というのはもはや、常識かもしれないけど、結局、高度資本主義=拝金主義=常に、ポジティブシンキングを要求される世界では、鬱病が増えてしまう…ってことだよなあ。だって、疲れてしまうもんね。

普段からもっと、ゆる~っとしてたら、鬱病もそんなに増えないよね。拝金主義が広がれば広がるほど、鬱病と自殺は増えてしまうのだろうなー。やすんだり、ぼんやりできない空気があるんだよね。

だから、フリーター?ニート?や、学校行かないひとや、そういうひとが増えるよね。面倒くさいなーって思うもん。

「これ、売れそう」って言葉が、もっとも説得力を持つっていうのが、どうも苦手。自分の好みとかそういうことより、「売れそう」にひっぱられていくんだね。

が、もちろん、そういうひとばかりではないよな。ある芸人さんに、あるプロデューサーを紹介したことがあって、その時、「この作品は絶対当たるんですよ」とそのPが説明したら、「当たる」っていうのは、自分の場合、動機にはならないんですよ…といって、その作品を断っていた。やるな~と思った。

だから、まあ、自分をしっかり持っていなくっちゃ。自分がなにをやりたくて、なにを書きたかったのか、
忘れちゃわないようにしなくっちゃ。ぶれないでいたい。(って、ずっといっぱい、ぶれてるけどさ~)

ああ、貫きたいわ?