昨日まで、ミニが寝ていたベッドが空になっています。
あ、こんな書き方すると、最悪の事態が起こったように誤解されますね。
大丈夫です。まだ、なんとか元気です。
とはいえ、家にいるときは、こんな感じで、ぐったり寝ています。
なので、今日は夕方から、近所の病院に行く事にしていました。
藤沢の大学病院から退院したばかりだし、なにかあったときに駆け付けるより、事前にミニの状態を把握しておいてもらおうと思ったわけです。
それも、土日が入る前がいいだろうと思い、今日の夕方、つまり金曜の夕方に予約をとりました。
我ながら、用意周到なちゃんとした飼い主だわ…と密かに自慢に思っておりました。
が…!思わぬ、トラブルが…。
16時過ぎ、ミニとともに、出かけました。散歩用のリードを持ち、「行こうか」と誘うと、ミニ、飛び起きて、尻尾を全開でふり、玄関までやって来ました。
わー元気あるじゃないか。やっぱり、散歩に行きたかったんだ…。
こちらまで嬉しくなり、一緒にエレベーターに乗って、1階に降りました。うちを出て、いつも行く公園に向かいました。
ところが…。100メートルくらい歩いたところで、急に立ち止まり、あげく、うずくまってしまいました。
もう、一歩も歩けない…!
たぶん、貧血がひどくて、立ってられなくなったんだと思います。人間でいえば、顔面蒼白…みたいな感じです。
散歩がうれしくて、つい、はしゃいだけど、体がついてこなかった…のです。
道端でうずくまり、私も途方に暮れました。こんなことなら、すぐにタクシーに乗せて、病院に行けばよかった…いろんな思いが交錯します。
映画「セカチュー」(古いな…)の空港のシーンみたいに、倒れたミニを支えながら、「助けてください!助けてください!」って感じです。
いえ、「助けてください!」とは言いませんでした。なんとかタクシーを止めて、乗せよう…それだけを考えてました。
すると。
この世は捨てたもんじゃないですね。
通りすがりのきれいな女性が、「大丈夫ですか?」と声をかけてくれました。買い物帰りの、茶色の髪をした細身の女性です。
ミニが貧血したことを告げると、「この先に、動物病院がありますから、先生、呼んできましょうか」と言ってくれます。
その病院は、ミニも何回か行ったことがあり、というより、一番最初にミニの腫瘍をつきとめたゴッドハンドの獣医がいる病院です。
一瞬、そこへ行こうか、とも考えました。が、これまでの経緯を説明しないといけないし、今後、お世話になるにしても、その病院は、たぶん、勘は鋭いのだと思いますが、CTもないので、ここはやはり、行きつけの病院に行くしかないと判断しました。
そこで、その上品な女性に、タクシーを止めて欲しいとお願いしました。
女性は、テキパキとタクシーを止め、私がミニを乗せやすいように、タクシーのドライバーに車を舗道に乗り上げるように指示。
おかげで、倒れたミニと私のすぐそばまでタクシーが来てくれました。
しかし、ミニは、やせたとはいえ、30キロ近くあります。持ち上げようとしても、私ひとりの力ではびくともしません。
うーどうしよう!と思っていたら、女性が「誰か男性に声かけましょうか」と新たな提案をしてくれます。
しかし、私もミニの飼い主です。いざというとき、抱き上げられないでどうする…気合いを入れて、もう一度ミニを抱き上げました。
持ち上がりました。人間、やればできるんですね。渾身の力で、貧血でぐったりしているミニをタクシーの座席の乗せました。
ドライバーさんも感じのいいひとで、いろいろフォローしてくれました。
路上に倒れた犬を、座席に乗せたら、「汚れるからやめてくれ」と言われてもしかたありません。でも、そんなことも言わず、優しい対応でした。
東京無線のドライバーさん、ありがとうございました。
そして、10分ほどで、広尾の病院へ。
病院の前では、すでにスタッフが待機していてくれて、タクシーに乗り込み、がしっとミニを抱き上げて、さっさっと診察室に運びました。
犬の「ER」ですね。ミニ、ひとまず、無事、入院。
ドライバーさんにお礼を言って、わたしも病院に入りました。
ミニはやはり、貧血していたようで、すぐに輸血することになりました。輸血は5,6時間かかるので、今夜は入院が決定に…。
そのあと、担当医の先生と、今後の治療について相談。クスリのこと、食事のこと、輸血のことなどを話しました。
犬の輸血って、人間ほど、「血」のストックがあるわけではないので、いろいろ簡単ではないのです。これも知らなかったことです。
「供血」っていうシステムがあって、健康な犬から、『血」をいただくそうです。ネット上にもそんなサイトや、「供血」を呼びかけるサイトがあることも知りました。(これらは昨日、ネットで調べました)。
そんなわけで、ミニはひとまず、入院。
輸血して、落ち着いたら、次の治療を始めることになりました。
ミニの病気は、「組織球肉腫」というものですが、これほどの貧血を引き起こす原因がわからず、もしかすると、「溶血性貧血」という病気も患っているのではないか…ということで、ガン(肉腫)のほうはひとまず置いといて、貧血治療に乗り出すことになりました。
治療…といっても、クスリを飲むだけなんですけどね。
ミニをあずけ、帰路につきました。
うちから病院までは、歩くと20分くらいです。タクシーに乗ったり、少しだけバスに乗る…という方法もあります。
でも、今日は歩いて帰りたい気分だったので、とぼとぼと、舗道を進みました。
すると、自分と同じ名前の食堂を発見!
今日はミニがいないから、ブログに載せる写真がないなーと思い、パチリ。
「あかね食堂」という名前ですが、メニューを見たら、西洋料理っぽかったです。
なんで、この名前なんだろう。
最近読んだ「嫌われ松子の一生」のなかで、刑務所には、「あかね美容院」というのがあるらしく、受刑者はそこに通うこともあるので、出所したあとも、懐かしくて、「あかね」とついた美容院に通うことがある…みたいなことが書いてありました。
「あかね」ってそういう名前だったのかと初めて知りました。だからってこの食堂がどうこうって話ではありませんが。
ふと、そんなエピソードを思い出しました。
今夜はミニがいないので、さみしいけど、ぐっすり眠れるかもしれません。いると、夜中でも、ついつい、見てしまうので。
今日も犬バカ上等です。
最後に、今日、ミニを助けてくれた、女性の方、本当にありがとうございました。ミニ、命をつないでいます。
心から深く深く感謝しております。お名前も伺わずに、失礼いたしました。