山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

犬走島

先週、伊豆の下田に行ったとき、駅前の看板に、「犬走島」という地名を見つけました。

下田港に突き出るように細い橋でつながっている、小さな島。

「犬走島」とは、なにか…?

当然、興味を惹かれますよね。

今年3月に香川県に行ったときには、「猫塚」「白犬墓」というネーミングだけで、2日くらい探検できましたから、今回も早速、犬走島へ行くことにしました。

下田の市内から徒歩で目指します。相棒はiphoneですね。このmapさえあれば大丈夫。と思ったら、mapに載ってない。
街中のカキ氷屋さんに行きかたをたずねて、出発しました。



左手に海を見ながら進みます。気温も低かったので、歩くにはちょうどよかったです。



で、あれだ!と思ったんですよ。

犬という言葉から想像するに、小さい、とるに足らない島だろうと思って。

かわいいつり橋もついてるし。

というわけで、到着。



つり橋近くにいた地元風のおじさまに「これが、犬走島ですか?」と聞くと、「知らないけど、そうじゃないの」とあいまいなお返事。

どこにも名前を示す標識などありません。

しかし、たたずまいからして、ここだろうと、つり橋を渡りました。



わたりきると、本当に小さな島で、崖を怖がらなければ、簡単に一周できます。



そして、こんな碑が…。



魚霊碑とあります。

ようするに、魚の命を弔うためのものですね。

「金目鯛」をまつっているようです。このあたりは金目鯛がよく獲れるみたいです。

そういえば、前夜にBBQでいただいたのも金目鯛でした。

こういう魚霊碑を見ると、慰められます。たくさんの魚を獲るということは、魚を殺戮しているんだってことをちゃんとわかって、魚に申し訳ないって思うってことですよね。

金子みすずさんの詩に、「大漁の時には、海のなかで、弔いがある」みたいなことを詠んだものがありますよね。

魚視点に立つ…というか。しんみりです。

…おっと、すっかり、犬走島のことを忘れておりました。

ホントにここがそうなのか、今ひとつ実感がない…。

ということで、戻りながら、途中で見た、長い堤防を確認しました。

すると…。



オウ!ノー!

見落としていました。こっちこそが、犬走島だったんですねー。

自分の予想とちがっていたので、見逃しておりました。

かように、「偏見でものを見ると、真実を見落とす」と。

ここに、あらためて、犬走島の全貌が…。



この細長い堤防の向こうに見えるのが、犬走島でした。

犬走り…というと細い通路をいうようで、そこからついた名前なのか、イヌワシ島と呼ばれていたこともあるとか、諸説あるようですが、わかりませんでした。

犬走りのような細い堤防をわたると、島につきます。



外海にぽつんとある島ですから、激しい波に洗われてきたのでしょう。

崖がいきり立っていて、かなり荒々しい感じです。



風が吹くたびに、ボーっとなる、風穴っていうのかな、巨大な風穴があったり。



島の先端には白くて小さい灯台がありました。



人気の釣りスポットらしく、多くの釣り客でにぎわっておりました。

フライングもありましたが、なかなか楽しい探訪でございました。

こういうのって、行ってみることや探すこと自体が楽しいので、実際の島がどうであっても、楽しいものでございます。

なんで、犬走島なんだろうって想像したりね。

そんなわけで、昨日は、デンマーク映画「未来を生きる君たちへ」(今年度アカデミー外国映画賞)、今日は、イタリア映画「人生、ここにあり」を見ました。

どちらも骨太の作品でして、いろいろ刺激を受けました。

これらの感想はまた、明日。