やっぱり、書かずにいられない。
満席のシアターコクーンにて、大人計画の「ふくすけ」。
うう。
しびれる。
コクーンという上品で洗練された劇場に、歌舞伎町の裏側の人間の掃きだめ…というか、闇、裏、陰の世界を思いっきり持ってきている。
異形のものたちのなんと強くて濃くて悲しくて、でも、悲しみなど寄せ付けないたくましさよ。
美しいものの強さもいいけど、醜いものたちの自覚したたくましさはほれぼれするよ。
阿部サダヲ演じるふくすけが、ひとりで延々、自分と自分の醜さと世界について語るシーンがあるんだけど、そこがよくてよくて。
なんか、じーんじーん、がーんがーんて自分の心の音がするみたいに、引き込まれた。
幸運なことに、すごくいい席で客席中央の真ん中くらいだったんだけど、もっともっと舞台に近づきたく、間近に寄りたくなって身を乗り出した。もっと狭い、見世物小屋みたいなところで見たい感じ。
人生いろいろあって、かなりへこみ気味で見に行ったんだけど、見ている間に、どんどんどんどん、自分が自由になって、解き放たれて、恐いものなどなくなり、自分が恐れていたことの小ささを思い、やっぱり、生身の人が見せる芝居の強さやセリフや脚本や演出の存在にヒカリを見て、ぶるぶるしたのでした。
作品は洗練され、熟練の役者たちがすんなりと見せてくださったのだけど、砂漠を歩くひとのように、こういう刺激に飢えていたので、水をガブガブ飲むみたいにその世界に溺れました。
よかった。見せてもらえて良かった。
がんばって生きてゆこうと思いました。思いました。