山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

ベストセラー作家への道1

という、タイトルをつけたけど、ベストセラー作家にどうしてもなりたい、というわけではない。が、しかし、出版界というのは、とても厳しいらしくて(何しろ本は売れないから)本が売れないことには、続けて本を出してもらえないそうだ。『売れよう』と思わないと売れないのは、きっとテレビも本も同じでしょう。だから、目指しとく。言うのはタダですから。
 本が出してもらえない辛さは、過去9年間でたっぷり味わった。はじめに新人賞に引っかかった時には、もっと簡単に本になるのかと思っていた。ところが世の中そんなに甘くなかったんですね。深い思慮なしに、文學界というところの新人賞に応募したけど、ここは芥川賞の登竜門でもあったわけだ。知り合いの出版社のひとにきいたら、
「もし、日本に文壇というものがあるとしたら、それは文藝春秋のことをさすのだ」
と教えられた。芥川賞なんて考えたこともなかったけど、そんなふうに言われてみると、嬉しくないはずはない。
「じゃ、頑張ればA賞とれるわけ?」 にわかにA賞が身近に思えてくる。
 それまで、ちんぴらテレビディレクターとしてその日暮らしをしていた私は、作家になれるかも、と思えて、急に人生の目標を変更する。自分の演出能力に疑いも生まれ始めていた時期だったし。こうなったら、小説家だわ、と。そのようなわけで、せっせと小説を書くようになったが、全く出版のめどがたたないどころか、文芸誌に載せてもらうことすらできなかった。
この続きはまた。