山田あかねの一喜一憂日記

テレビディレクターをやりながら、小説書いてます。映画も撮りました。脚本なども書いてます。 本、買って下さいね。

女に不自由しない男について

 長い間生きていると、若い頃にはわからなかった人生の真実(のようなもの)に出会うことがある。長く生きたからこそ、わかるのだ。

 例えば、「もてる」とはなにか、について。

 私の回りに「女に不自由しない男」が2名ほどいる。
 彼等は仕事や容姿、女性への接し方などまったく対象的なのであるが、共通しているのが、
「満遍なくもてる」ことと
「全ての女性は自分の味方であると考えている」こと。

 ひとりは40代、一人は50代であるが、あなどってはいけない。20代のモデルや女優など、普通の中年男性だったら、一生に一回でもいいからお相手したいと思うような女性たちから、日夜お誘いを受けているのである。

 ライブドアの社長みたいに100億稼ぐわけでもなく、ブランドものを湯水のようにプレゼントするでもなく、デートだって、そこらへんの居酒屋程度なのに、である。ふむ。

 まず、タイプ1について見てみよう。

 彼は、ある種の典型的なハンサムである。高校生の時などは、バレンタインというと自転車のカゴがチョコレートでいっぱいになったそうである。(地方都市生まれで、自転車通学だったそうだ)
 では、高校時代はさぞや、ハッピーだったでしょうと尋ねるとそうでもないと言う。片思いの相手がいても、次々に女性から告白され、もともと気持ちの優しいところがあるので、告白してきた女性とつきあううちに青春は過ぎ去ったそうである。それにしてもなんともうらやましい話だ。

 長じて、上京した彼は、東京でも美人率の高い大学に進む。 すでにその頃は「自分はもてる」という自覚があったそうだが、
さすが、東京では「やや陰った」そうな。
けれども、テニスクラブ一の美人から告白されたり、ミス○○から誘われたり、もう、普通の女子大生レベルだと、「今夜、家に来て下さい」といきなり云われ、行ってみると、家族もでかけ、彼女だけがしっとり待っていた・・なんていう経験をお持ちだ。

 そのようなめくるめく20代を送りながら、彼のよいところは
決して慢心しなかったことにあると思う。女性とは自分に優しくしてくれるもの、という認識を抱くようになり、結果、誰にでも優しくするので、ますますもてる、という、
『もてるのスパイラル現象』を巻き起こしたのだ。

その威力は30年近く過ぎた今まで続いている。彼の場合は、自分から口説くということがあまりなく、自然にふらふらしているうちに女性が隣にいた、という場合が多いようである。
(これは後述する、脅威の50代スーパーもて男と似ている部分もある)

 彼はいわば、天然のもて男。
ゆえに対象者も幅広い。美人じゃなきゃだめとか若くないとだめ、という縛りが殆どないようである。10代に刷り込まれた「女性は僕の味方」という、あっぱれな信仰により、今夜もどこかのバーで女性の隣で微笑んでいるのだ。

  しかし、私は思う。もはやこれまでだろうと。

なぜなら、彼はすでに女性で運を使い果したのだ。この先ももてつづけるだろうけど、仕事でビッグに成功することはない。ないはずだ。っていうか、そうでなくっちゃ、あまりに普通のヒトがかわいそうでしょう。

「すでに運使い果たしてるよ」
 とエラソーに私が言ったら、
「そうかもなあ」と怒るそぶりもない。
 まったく、いいひとなんである。

 が、彼にも弱点がある。それは「いつもふられる」そうである。もともと簡単に手に入ったものゆえ、去っていくのも早いらしい。いい気味である。
が、しかし、すぐに次の女性が現れるそうなので、悲しんでいる暇もないようだ。ったく。
「パンがなければ、ケーキを食べればいいじゃない」ってなものである。
私たちはパンじゃないぞ。(ケーキだと思われたらシアワセか・・バカだ)

 話を聞いているうちにかなりむかついてきたが、ハンサムなのでつい許そうと考える私も修行が足りないのであった。

(50代のスーパーもて男については、次号にて。これはすごいよ)