山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

小説家は、儲かるか。

毎年、この時期になると、支払い調書なるものが送られてくる。
フリーランスの方はご存じだと思うけど、昨年一年間に、仕事をした各会社から、支払額(ギャラですね)を明記した紙切れが送られてくるわけです。

で、これらを合わせると年収ってことになります。
で、これを使って、確定申告などするわけですねえ。

で、ですよ。
私の場合、ここ1、2年、小説書いて、本にしてもらったりしていたんですが、
おっそろしいほど、年収下がりました。
正直、半分とまではいかないけど、3割減。

冷静に考えると、ものすごくきついです。
生活水準(ってほどのものではないけど)を変えずにいたら、破綻の日は近いでしょう。

こう考えるとですね、いかに小説って割に合わないかって思います。

まず、書くのが大変。命削ります。
つぎに、本になるまでが大変。誰も助けてくれません。
そして、本になったからといって、儲かるわけではありません。

ベストセラーになるのは、ほんの一握りだし、それが永遠に続くわけでもないし。
例えばさ、ここのところ、ミリオンセラーを出した方だって、苦節○年だったりするわけです。

すると、10年かけて一億円儲かっても、ならせば、年収一千万円ってことになってしまうんですね。
年収一千万円ならいいじゃん、という方もいらっしゃるかとは思いますが、ミリオンセラーを出せる確率はものすごく低いですから、「たぐい稀にうまくていって」ってことです。

まあ、なんて危険な賭けでしょう。

テレビのお仕事だけをちゃんちゃんとやっていたら、お金も儲かるし、
精神的にも楽だし、なに血迷って、小説書いてんのさ、って感じです。

でもなあ、やっぱり、お金じゃないし。
テレビじゃできないこと、できるし。
書くのは大変だけど、好きだし、達成感あるし、しょうがないよなあ。

昨年の支払い調書を見ながら、しばし、呆然としたのですが、
(しかも、ここのところ、小説書くために、大きな番組、ばんばん断ってしまって
 それでいいのだ、と思っていた矢先でした)
過る不安、迷う私。

ちゃんと稼がなくていいのだろうか。

しかし、数秒後、
ま、いいか、いけるところまでいこうじゃないか、と思いました。

いつかお金が全然なくなって、小説も売れなくて、なにもかもなくなって
そんなときがきたら(それは充分あり得る)
その時に考えよう。

先のことはわからないものね。

そんなわけで、これからは無駄遣いを禁止して、質素な暮らしをしようと思うのでした。