山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

結婚はどこへ行く?

NHK総合で放送されている「今夜は恋人気分」という番組をよく見る。
最初は、司会が中村うさぎさんなので、見始めた。
というのは、彼女の衣装が楽しみだったから。
いつもばりばりのブランドものをかっこよく着こなしていて、
同世代として、「あれくらいまで着ていいんだ」と思えて嬉しかったから。

そして、内容もなかなか興味深かった。
いわゆる有名人の夫婦が出演して、結婚のきっかけから今日に至るまでのあれこれをお話するわけである。

現在、日本の離婚率は30%を越えている。今後はもっと多くなるだろうと予想されている。
そんな、一億総離婚時代、というより、結婚するひとも減っているので、一億総「非」婚時代にあって、「有名人」という普通のひとより、お金があったり、事件が多かったり、もてたりする=離婚の危機を迎えやすいひとたちが、なぜに、今まで結婚しつづけているか、というのは、興味深いものがある。
(あと、ゲスな感覚として、へえ、こういうひとと結婚してるんだという思いもある)

これまで見て来た結果、結婚の関係は、大きく3つに分けられる。

1)夫が有名人で妻が支えるカップル
2)妻が有名人で夫が支えるカップル
3)夫婦ともに有名人で、同士みたいなカップル

1)はね、これまでにもあったし、番組の中で、「妻にはお世話になりました。ありがとう」みたいな流れによくなる。有名人(作家だったり、音楽家だったり)のわがままな子供みたいな夫を、妻があれこれ世話をして支えて、今日に至りました、というタイプ。
これはさ、なにも有名人じゃなくても、日本の古来からの結婚の原風景だと思う。
多くの視聴者は(特に女)、これを見て、
「私も最後に夫にありがとうって言ってほしいわん」などど涙するのではないか。
NHKとしてはメイン視聴者であるタイプに訴えかけられるので、おいしいだろうけど、私などのはぐれものからすると殆ど興味ね~って感じ。
もちろん、そんなビッグな男をつかまえて、一生あなたの奴隷でいたいの、というひとはよいだろうけど、そんなん、おもしろいのかなあ。

そして2)のタイプ。
記憶に残るところでは、よしもとばなな夫妻、本日OAの赤星たみこ夫妻、えらけいこ夫妻、
などがあげられる。
夫はみんな優しくてよい感じのひとたち。
妻の才能を愛し、妻の後方支援を引き受けている。これはこれで新しいタイプなので、見応えはある。
が、結局は、1)と同じ。男と女がひっくり返っただけ。ようするにどっちが稼ぐかって問題だよね。

そして問題が3)のタイプ。
回数は少ないように思う。記憶に残っているのは、小池真理子さん/藤田宣水さん夫婦。
このタイプはいくつになっても、緊張感が感じられた。けど、一方で、結婚している必要があるのだろうか、と不思議に思うのだ。ひとりになってもっと自由になぜ、遊ばん?みたいな。

で、なにが言いたいかつうと、なんで、「結婚」なのか、ってことと、なんで一対一なの?ということでした。
もちろん、NHKの制作だから、少子化問題なんとかせ~という依頼があって、「結婚のよさ」を売り付ける番組を作ったんだろうなあ、というのは容易に想像がつく。
けど、ほんとは、もう、いいんじゃないかな~と思うのだった。

むしろ、結婚以外の方法で仲良くやっているひとたちのが、ずっと前向きでずっと見たいよなあ。
女ひとりに男三人で同居してます、とかさ、愛人と妻が同居してます、とかさ、通い婚とかさ、ゲイのカップルとかね。(ま、出てくれないだろうけどねえ)

つがいの幸せなんつうもんは、なにもテレビでやらなくてもさ、みんなもうそこそこ知っていると思うのだが。
犬も多頭飼いのほうがいいしね。(二頭で飼うと安定するんだよね)

人類に他の可能性はないのか。
そういう冒険をしてほしいなあ。
(いえ、テレビじゃむりってことは私が一番よく知っていて、だから、私はえっとその道をはずれ・・・)

かつて「未来を予測する番組」をつくって、その時、「未来になくなるもの=結婚」ってやりたかったんだけど、かなりの反撃にあいました。
しかも、結構遊んでいるような男性すら、まだ、結婚って信じてたのにはびっくりした。

ま、結婚って男に都合いいもんね。
この世で男に都合のよいものはなかなかすたれないのだった。
なんだかな。