山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

新中年女性マーケット@文学

認めたくないけれど、私は年齢的には立派な中年である。
中年なんてものに自分がなるなんて、絶望的な気分であるけれど、
時の流れはとめられないので仕方ない。

このカテゴリーに入った最初の頃は、
世間の扱いもあまりよろしくないし、
こちらからなにかを選ぼうとするときもむずかしいことが結構あった。

例えば、服。

かつては中年女性といえば、落ち着いた服装をするものと決まっており、(一部な派手なおばさんは別として)、
そのための店しかなかった。

だが、年齢はあがっても、服装に対する意識は変わらない。
すると一部の高額なブランドは別だが、
サイズも趣味もあう服というのが少ない、ということに気づいた。

つまり、私たちのような、年齢的にはおばさんなんだけど、
気分的にそっち側に入る気になれない人たち向けの商品は用意されていなかったわけ。

しかし、企業というのは、需要に合わせてすぐに対応するもので、
今や、セオリー始め、ノンエイジの手ごろなブランドが結構ある。
(おかげでセオリーは大ヒットしている)

これは映画などのエンターテイメント業界にも波及し、
(ちょっと遅れて)
最近では、新中年女性をターゲットにする映画が増えてきた。

例えば、現在ヒット中の「東京タワー」
ハリウッド発では、「恋愛適齢期」

これらは主人公が40歳以上であるけれど、かつてそうであったような
「おばさんネタ」ではなく、まっとうな恋愛映画なわけである。

たぶん、この需要は今後ますます増えると予想される。
なぜなら、後続の世代の女性たちのnotおばさん化率はもっと増えるからであり、マーケットの活性化は必然だからだ。

そんなことを考えてみると、小説の分野でも
(文学ってさ、もっとも時代に対応するのが遅いんだよね、いつも)
かならずや、新中年女性マーケットは存在するであろう。

すでに、中村うさぎさんや岩井志麻子さんらが
「これまでにはありえなかった中年女性」を自ら演じつつ、
作品も発表されているし、
彼女たちとスタンスは違うけれど、
江國香織さんや新・直木賞作家/角田光代さんたちが描く、女性たちもこれまでになかったキャラクターと言える。

ものすごく長い前置きであった。

そんなわけで、私も「年ばかりとって」とクヨクヨするのはやめて、
まだ、手つかずの新中年女性マーケットに向けて、小説を書くのであった。
多分、そこは、ゴールドラッシュが待っているような気がする。

その暁には、「東京タワー」の黒木瞳さんよろしく、
ジャニーズ系のにいちゃんとでも仲良くしようではないか。

夢は膨らむ。皮算用は果てしないのだった。