山田あかねの一喜一憂日記

心に引っかかるテーマは前後の見境なく取材に行きます。映画、テレビ、本つくってます。

最近読んだ本と見た映画、まとめ。

最近、ブログをサボりがちだったけど、読んだ本や見た映画の感想などをざっくり書こう。



少し前のベストセラーだけど、「絶望の国の幸福な若者たち」を読んだ。

26歳の社会学者による、若者論。

「今の若いひとはかわいそーだ」と言われているけど、ホントにそうなのかってことを、自分も若い作者がものすごい量のデータを使って分析している。

で、上の世代=つまり、おじさんたちが思うほど、僕ら不幸じゃないもんね…という結論です。

若者論って太古の昔から繰り返されてきたというけど、ちょっと思ったのは、「最近の若者は…」っていうのはいつもおじさんで、その対象も若者=成年男子なんだってこと。

おばさんはさー、最近の若者は…とか、あまり言わない。まずは、おばさんには子供がいて、最近の若者は自分の子供だったりするので、十把一絡げにして語らない。

つぎにおばさんたちは権力がないので、若者を論じても、批判しても、若者に響かないし、相手にされないので、不毛なのでしない。せいぜい、姑が嫁を個人的にいびるだけ。最近の嫁は…って言ってね。

そういう意味で、若者論って、おじさんが若い男について語るものなんだよなーってこと。せいぜい、若い女子についても語る(なんといっても、おじさんの大好物だからね)けれども。

けれども、おばさんも社会でそこそこ力を持ってきた今、最近の若いもんは…って語ってもいいのかもしれないとはおもった。けど、基本、おばさんたちはそういうもんに興味ないような気がした。

私自身、最近の若者は…っていう視点があまりなかったしなあ。女子については興味あったかな。

丹念にデータが提示されていて面白かった。そして、今の若いひとがそこそこ幸せで未来にあまり期待しないで生きてるってことがわかった。それって、ずっと、女性たちがやってきたことだよね?…なんて思った。

次に読んだのは、ソフトバンクの孫正義さんについて書かれた「あんぽん」



こちらもとても細かく取材されていて、孫正義氏について、詳しく知れて面白かった。著者の佐野眞一さんは、人物を語るとき、その三代前くらいまで遡ることを基本にしているそうで、以前読んだ、「別海から来た女」でもそうだったけど、出身や両親や祖父母まで辿っていく。

そういう部分から説明しないと、人物に迫れないという。

確かにそういう面もあると思うけど、ひとを描くときにあまりにそのひとの出自にばかりこだわるのは、なんだか、ちょっと痛々しいような気がしました。

壮絶な生まれ育ちが、卓越した人物を生む…というのはわかるけど、そこばかり強調されるのはどうなのだろう。

それとも、ひとは生まれ育ちから逃れられない?

あとは最近みた映画を列挙。7月くらいからまとめて書いておこうっと。
記憶のままに並べてみます。

「キツツキと雨」(DVD)
「ファミリーツリー」(名画座)

この2本は今日見ました。どっちも良かったです。

以下は、7月くらいから見たモノ。

「ヤング≒アダルト」(飯田橋ギンレイ)
「ヘルプ」)(飯田橋ギンレイ)
「苦役列車」(有楽町)
「かぞくのくに」
「ミッドナイト・イン・パリ」
「サニー」
「テルマエ・ロマエ」(日比谷シャンテ)
「ダークナイト ライジング」(六本木)
「ヘルタースケルター」(六本木)
「ルアーブルの靴磨き」
「少年と自転車」
「別離」
「崖っぷちの男」
「少年は残酷な弓を射る」
「桐島、部活やめるってよ」

このなかでは、「桐島、部活やめるってよ」が一番好きだった。
「ミッドナイト・イン・パリ」は、苦笑いの連続の映画。
パリが美しかった。
「シェイクスピア&カンパニー」もワンカットでてきて、良かったなー。

「テルマエ・ロマエ」は、たまには当たったものをちゃんと見るようにってカメラマンの友人に勧められたので見た。シンプルなギャグに劇場がわいていたので、そういうシーンを体験できてよかった。勉強になりやした。

「ヤング≒アダルト」と「ヘルプ」は2本立てだったんだけど、どちらもアメリカ映画であり、アメリカに暮らす女子の物語なんだけど、描かれている女性たちの悩みの落差に苦い二本立てだった。

「ヤング≒アダルト」の主人公は、高校時代はイケてた美女が30過ぎて、仕事も恋愛もぱっとしないってことがテーマ。

一方の「ヘルプ」は人種差別が激しかった時代のヘルプ=家事手伝いをする(奴隷の)、黒人女性の物語。

「ヘルプ」のような大きなテーマの前では、30過ぎのシングル女性の悩みなど、小さいなーと思う。というか、女性もよくここまで来たなーと考えたほうがいいかもしれない。

そんなわけで、まとめて書きました。

「ファミリーツリー」はハワイだからって、毎日サーフィンでハッピーってわけじゃない、妻が死にかけたりする…っていう独白から始まる、リアルな家族もの。

等身大でよかったなー。妻や母の死を歌いあげないのがいいよねー。

日本だと、妻や母が死ぬときは、たいてい、絶賛のなかで、働き通した母や妻が死ぬからねー。そんなんばっかじゃないという現実をつきつける物語。

好みでした。

ということで、これからまたマメに更新したいと思います。